Uberは米国時間5月23日、アリゾナ州での自動運転試験のプログラムを廃止すると発表した。同州における300人弱のテストドライバーは解雇されるという。Arizona Republicが報じた。Uberはアリゾナ州テンペで3月、完全自動運転モードで走行中の車両が歩行者に衝突して死亡させる事故を起こしていた。
車載カメラが記録した事故当時の動画には、被害者が自転車を押しながら、暗い夜道を歩く姿が写っていた。運転席に座っていた車両操作員は、たびたび視線を下に向けており、被害者とぶつかる瞬間にようやく目を上げる。生々しい映像で、見ているだけでも痛ましい。
テンペ警察によると、被害者の姿を認めた瞬間に車は減速も方向転換もしていなかったという。衝突時の時速は約60kmだった。
テンペ警察は、Uberの担当者や、米国家運輸安全委員会(NTSB)、米運輸省道路交通安全局(NHTSA)と協力して、事故原因と責任者の究明に当たっている。
「われわれは自動運転技術にコミットしており、近いうちに公道に戻りたいと思う」とUberの広報担当者は述べた。「それまでは、完全な安全性の確保に専念する。元NTSB委員長のChristopher Hart氏に、当社の安全文化に関する助言も受けている」(Uber広報担当者)
現在、Uberはテンペのほか、フェニックス、ピッツバーグ、サンフランシスコ、トロントなど、車両テストを実施していた全都市で、自動運転車の走行を一時的に停止している。
同社は、早ければ2018年夏とされる連邦捜査による暫定報告の完了後、自動運転車の試験を再開する意向を示している。NTSBは米CNETに対し、最終報告の完了には少なくとも1年を要する可能性があると述べた。
Uberは、自動運転車試験に加えて、アリゾナ州での無人運転トラックの試験も廃止すると述べた。トラックの試験は、時期を見ておそらく別の州で開始するという。ペンシルベニア州ピッツバーグにある自動運転事業本社にも、トラック試験を実施する能力があると同社は述べた。
アリゾナ州で解雇され300人近くの従業員については、履歴書や面接の準備や研修、1対1のコーチングなどのサービスを提供して、新しい職探しを支援する予定だと同社は述べた。Uberの中核事業である配車サービスとフードデリバリサービス「Uber Eats」は、アリゾナ州での提供を継続するという。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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