人工知能(AI)による会話機能「Google Duplex」は、人間のように会話できることで大きな注目を集めている。だが、同じようなことができるAIはこれだけではない。
そんなメッセージを発したのが、Microsoftの最高経営責任者(CEO)を務めるSatya Nadella氏だ。The Vergeによると、同氏はロンドンで現地時間5月22日に開催されたAI関連イベントで、Microsoftのチャットボット「Xiaoice」(シャオアイス)のデモを行い、このボットが文字だけでなく、音声を利用して会話する様子を披露した。ただし、The Vergeが伝えているように、XiaoiceはGoogle Duplexと同じように振る舞うわけではない。ユーザーに代わって会話するのではなく、Xiaoiceはユーザーと自然な音声で会話するのだ。
Xiaoice(漢字表記は「小さい氷」を意味する)は、2014年のリリース以来、中国で大きな成功を収めてきた。Microsoftはまた、Xiaoiceと同じようなAIチャットボットを、インドでは「Ruuh」、日本では「りんな」、インドネシアでは「Rinna」、米国では「Zo」として提供している。Zoは、失敗に終わった「Tay」の後継プロジェクトだ。ただし、ユーザー数やこなせる会話の量という点で、Xiaoiceが最も成功している。
Microsoftによると、Xiaoiceは5億人以上のユーザーを抱え、コンテンツ、サービス、タスクなど230種類以上のスキルを備えているという。これらのスキルはすべて、Microsoftいわく、「心の知能指数」(EQ)を高めることを目指したものだ。
Microsoftは、Xiaoiceの全二重音声検知(人間のように双方向で音声コミュニケーションができる能力)を、パートナーや開発者が自分たちのアプリケーションで利用できるようにすることに取り組みを行っている。
Microsoftの広報担当者は22日、Zoでも全二重音声検知を使った会話が「近いうちに」サポートされると筆者に語った。
また、筆者が「Cortana」との関係について質問したところ、広報担当者は次のように回答した。
当社のソーシャルAIチャットボットとCortanaは、どちらも『Bing』のバックエンドを活用しているが、利用する技術と目的が異なっている。Cortanaは、ユーザーの1日の生活をサポートする目的で設計された、世界初の本格的なパーソナルデジタルアシスタントだ。自宅、職場、外出先などでユーザーが行うさまざまなことを支援することに注力しており、ユーザーがどこにいるときでも、物事をよりうまく行えるようにするツールを提供する。一方、XiaoiceやZoなどのソーシャルAIチャットボットは、社交的な会話やエンターテインメントのために作られている。
われわれは今後も、Cortanaへの本格的な取り組みを継続し、当社の会話AI技術がCortanaの将来にもたらすものに大きな期待を寄せている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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