The Boring Companyの目指す方向を、Elon Musk氏がようやく明らかにした。
Musk氏は米国時間5月17日、16人乗りで時速150マイル(時速約241km)の「パーソナライズされた大量交通」システム「Loop」のコンセプトを公表した。まずロサンゼルスに導入され、計算上は中心街からロサンゼルス国際空港までチューブを使って8分で到着できる。料金は1人1ドルを予定している。同氏は、自動車1~2台分の駐車スペースを占めるくらいの小さな駅を数十~数百カ所設け、あらゆる地点で交通渋滞を緩和することを思い描いていると述べた。
Musk氏は、他にもいくつかの詳細を明らかにした。Loopには、州間道路405号線と平行して南北に伸びる2.7マイル(約4.3キロメートル)のトンネルが必要となる。民間資金を調達し、公共交通機関としては利用しない。
Musk氏はプロジェクトの時間枠を明らかにしなかった。
2年間というもの詳細な発表はなく、人をじらすばかりだったが、今回の発言は、The Boring Companyが計画している巨大な地下トンネルを利用してMusk氏が何をしたいのかについて、これまでで最も詳細な考えを示している。Musk氏が創設した同社は、新たな形の交通機関を作り出すという構想を進めるため、この1年間をロサンゼルスの地下トンネル掘削に費やしてきた。それは、ロサンゼルスの不快な交通渋滞から逃れるためでもあり、同氏がロサンゼルスの交通について不平を言っているのは有名な話だ。
Musk氏は1週間前に、最初のロサンゼルスのトンネルは完成間近だとツイートした。
Musk氏によると、他にTeslaとSpaceXの2社を経営しているため、The Boring Companyが自分の時間に占める割合は2~3%で、基本的には趣味だという。
今のところ、これらのトンネルは、米国を横断する「Hyperloop」システムというさらに壮大な構想に組み込まれてはいない。Musk氏は以前、The Boring Companyが提案されたHyperloopプロジェクトに関与していると述べている。
今回のイベントで、Musk氏は、ロサンゼルス市と協力しており、同市の地下鉄システムを補完することに心を躍らせていると繰り返し語った。
The Boring Companyは、ロサンゼルスで使ったトンネル掘削事業の手法とモデルを、ゆくゆくは交通問題を抱える他の大都市に導入する考えだ。
Musk氏は、17日のイベントの冒頭で、「空飛ぶ自動車」はうまくいかないと断言した。同氏は地下を利用した交通システムの優位性について、天候の影響を受けづらいことのほか、必要に応じてレーンを増やせることを挙げる。「幹線道路はキャパシティの限界を迎えている。トンネルであれば、いくらでもレーンを作ることができる。無限なのだ」(Musk氏)
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」