PayPalが、iZettleを買収する計画を発表した。iZettleは、小規模企業向けのモバイルカードリーダーなどの決済プラットフォームを手掛けるスウェーデン企業だ。買収額は22億ドル(約2400億円)で、PayPalにとっては過去最大規模の買収になる見通しだ。
iZettleを買収することで、PayPalは国際的な基盤を拡大し、実店舗でのシェアで、Squareなどの企業に対する競争力を強化できる可能性がある。iZettleは2010年に創業し、欧州と中南米の十数カ国に多数の顧客を擁する。買収が完了すれば、ブラジル、デンマーク、フィンランド、フランス、ドイツ、イタリア、メキシコ、オランダ、ノルウェー、スペイン、スウェーデンという11の市場で実店舗に足掛かりを得ることになるとPayPalは述べている。
PayPalのプレジデント兼最高経営責任者(CEO)Dan Schulman氏は声明で、「小規模企業は世界経済の原動力であり、われわれはプラットフォームの拡大を続け、そうした企業がオンライン、実店舗、そしてモバイルで競争に勝てるよう支援していく」と述べた。「iZettleとPayPalは戦略面で一致しており、ミッション、価値観、文化を共有し、製品サービスと提供地域で互いに補完し合う関係にある」(Schulman氏)
iZettleは2週間前に、株式を公開する意向を示し、20億スウェーデンクローナ(約253億円)を追加で調達すると述べていた。2017年12月の最新評価額は9億5000万ドル(約1000億円)とされていた。2018年の売上高は約1億6500万ドル(約182億円)、iZettleのプラットフォームで処理される総決済高(TPV)は約60億ドル(約6600億円)にのぼる見通しだ。同社は、2020年までに独立採算ベースで黒字に転じるとみている。
買収は2018年第3四半期に完了する予定だ。その時点で「PayPalのマーチャントサービスの重要な要素として」稼働する予定だとPayPalは述べた。iZettleのCEOであるJacob de Geer氏が引き続きiZettleの事業を統括し、PayPal最高執行責任者(COO)Bill Ready氏の直属になる。iZettleの経営チームはこれまでどおり、同事業を運営する。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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