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パイオニアが抱える4つの経営課題--"若返り”人事で再成長目指す

加納恵 (編集部)2018年05月14日 20時16分
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取締役兼会長執行役員に就任する小谷進氏
取締役兼会長執行役員に就任する小谷進氏

 「パイオニアの将来を考え、若返りが必要だと以前から考えていた。事業ポートフォリオを再構築し、新しい経営体制で臨むことが良いと思う。また、先の業績予想の下方修正に対し、自らの責任を感じている」――パイオニアの代表取締役兼社長執行役員の小谷進氏は、社長交代発表後の決算会見で、その理由を話した。

 同日発表した2018年3月期通期の連結業績は、売上高が前年比5.5%減の3654億円、営業利益が同71.3%減の12億円、経常損益は同30億円の黒字から31億円の赤字、当期純損益はマイナス51億円からマイナス71億円へと赤字幅を拡大した。


2018年3月期通期連結業績

 カーエレクトロニクス分野は、テレマティクスサービス、OEMカーオーディオが増収になったものの、OEM、市販カーナビゲーションが減収となり、売上高は2993億円(前年は3125億円)、営業利益は11億円(同61億円)。58%の比率を持つOEM事業の落ち込みは深刻で、「抜本的な見直し施策の検討を進める」(小谷氏)と、パイオニアにおける大きな課題の1つと位置づける。


2018年3月期カーエレクトロニクス業績

2018年3月期その他業績

 「開発の効率化や原価率の低減など、事業そのものの見直しを進め、それなりの効果は出ていたが、新規大型案件の開発投資が当初の計画を上回った。プロジェクト自体は4年前にスタートしたが、この4年間で車に関わる事業環境は、IoT化、コネクティッド化、自動運転など大きく変化した。それに対し、4年前の内容では時代遅れになってしまい仕様変更が生じた。そこに莫大なリソースを費やさなければならなかった。すでに商品の供給は始まっているが、ピークが来るのは2021年頃になる」(小谷氏)と現状を説明した。

 また、自動運転・高度運転支援向けに必要とされる走行空間センサ「3D-LiDAR」などの開発投資も継続しており「かなりOEMの収益改善が遅れているのは事実。足下の厳しい状況は2~3年続くと思う。カーエレクトロニクスの厳しい環境の中で生き残り、成長していくためには開発スピードと強いパートナーとのアライアンスに取り組まなければいけない。そのため、今回思い切った抜本的な施策を図っていこうと決断した」(小谷氏)と話す。

 ただし、具体的な施策については発表せず「協業相手との合弁会社設立などを1つの選択肢としている。今後OEM事業を持続的に成長させるにはどういう形が一番いいのか、議論している段階」(小谷氏)に留めた。

代表取締役兼社長執行役員に昇格する森谷浩一氏
代表取締役兼社長執行役員に昇格する森谷浩一氏

 新たに代表取締役兼社長執行役員に就く森谷浩一氏は「経営課題は山積、スピードを持って対処しなければいけないと危機感と緊張感を持っている」とコメント。

  • OEM事業の抜本的改革
  • 経営資源の再配分
  • オペレーション精度の向上と経営管理体制の強化
  • フリーキャッシュフローの創出

の4つを経営課題として挙げた。

 森谷氏は「OEM事業の改革が迫られている。この大きな変化の局面にスピード感を持って、経営改革を大胆に決断、実行し、再成長を目指すことが重要。パイオニアは業績予想の下方修正を繰り返すなど、信頼度が低下している。事業を通して信頼され、満足される会社にしていきたいと強く思う」と決意を話した。

 現在のパイオニアにおけるオペレーションについて問われると「階層が深い。できるだけ階層をなくし、フラットにすることで、情報が上がってくるようにしたい」とオペレーション精度向上における取り組みについて話した。

 パイオニアでは、2019年3月期の連結業績を、テレマティクス新規事業の拡大や新製品のタイムリーな導入による、新興国の売上増などから、売上高は4%増の3800億円と見込むが、営業損益は、カーOEMの減価償却費の増加や、原価率の悪化、自動運転関連の先行開発費用増などからマイナス50億円の損失になると予想。当期純損益予想については、カーOEM事業の抜本的な見直し施策を検討中のため、影響額が確定するまで留保している。


2019年3月期連結業績予想

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