パイオニアは2月9日、2018年3月期第3四半期の連結業績を発表した。カーエレクトロニクスの減収により、第3四半期、9カ月通期ともに減収減益となった。
第3四半期(2017年10〜12月)の売上高は前年同期比3.8%減の947億円、営業利益は同19億円から1億円、経常損益は同10億円の赤字から、18億円の赤字、当期純損失は40億円の赤字から29億円の赤字。カーエレクトロニクスの販売減に加え、ホームAVや事業が苦戦やCATV機器の事業譲渡などの影響から、厳しい数字となった。
第3四半期累計(4〜12月)では、売上高は同6.2%減の2709億円、営業利益は同34億円から21億円、経常損益は19億円から21億円の赤字、当期純損失は30億円から55億円へと赤字幅を広げた。
パイオニアでは、当初2017年2月の発売を予定していたAVシステム「AVH」シリーズの導入が、9月にずれ込んだ。パイオニア代表取締役兼社長執行役員の小谷進氏は「当初からの遅れを受け、全米の3000店近い販売店に商品を行き渡らせられなかった。加えて、年末商戦に向け競合商品の価格攻勢もあったが、(AVHシリーズは)新製品のため価格を下げず下振れした」と説明した。
第4四半期については「ばらつきはあるが、全体的には回復基調に入った」とする新興国市場の持ち直しと、「新たなビジネスとして花開いた」(小谷氏)というテレマティクス向け保険ビジネスへ期待を寄せる。テレマティクス関連の保険については「追加オーダーをすでにいただいている。第4四半期には利益を確保できる見通し」(小谷氏)とした。
自動運転車向けとして注目が集まる3D-LiDAR については「第1次試作品の供給を開始し、2018年中に提供予定の2次試作品の開発を進めている」(小谷氏)と現状を説明。ただ「搭載する機能などへのリクエストも多く、それに対するリソース不足になっている。カーエレクトロニクス事業の立て直しに加えて、リソース配分をどうしていくのかは大きな課題」と続けた。
小谷氏は「このほか地図ビジネスなどにも期待しているが、市販ビジネスが弱体化し、以前に比べ競争力がおちていることは否めないと反省している。3D-LiDARは自動運転時代に向け、開発のスピードを遅らせるわけにはいかないことからも、市販のリソースをシフトせざるを得なかった。それらを反省点として来期以降の市販ビジネスにおける再構築を考えている」と現在の問題点を話した。
パイオニアでは今回の業績を受け、通期の連結業績予想も売上高3700(前回予想時は3800)億円、営業利益50(同100)億円、当期純損失マイナス30億円(同35億円の黒字)に下方修正している。
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