高橋氏は、ここ最近通信業界で話題となっているさまざまな問題や出来事についてもコメントした。中でもKDDIにとって影響が大きいと見られるのは、4年間の割賦払いを前提とし、2年目以降の買い替え時に残債の支払いが不要になる「アップグレードプログラムEX」が、顧客の4年縛りにつながるとして、総務省や公正取引委員会の有識者会議で問題視されていることだ。
この点について高橋氏は、アップグレードプログラムEXが「割賦払いを選んだ顧客の9割超が選択している」と、ユーザーに受け入れられているサービスであることをアピールする。一方で、「2年後に特典を行使して端末を下取りする(残債支払いを不要にする)か、中古店で売却するか顧客が選択できる仕組みになっているが、分かりづらいという指摘がある」とも話し、総務省などからガイドラインや要請があった場合は真摯に対応していく考えを示した。
もう1つ、KDDIに大きな影響を与えると見られているのが、楽天の携帯電話事業参入が確定したことである。これについて高橋氏は、「正直に言って、競争が増えることになるのは、いい気はしない」と話しつつも、同時に競争によってよりよいサービスが生まれるとし、楽天の参入によって「ライフデザイン事業に行くべきという方針が正当化されたので、社内での話を広げやすくなった」と本音も述べた。
また、米国政府の中国のZTEに対する制裁の影響に関しては、「mamorino Watchや法人向けのUSB端末などを扱っている。在庫を確認しながら販売は継続するが、いろいろ苦慮している」と話す。ただし、同社はZTE製のスマートフォンを扱っていないことから「幸いにも、スマートフォンにインパクトを与えるものではないので、ホッとしている」とも答え、他キャリアと比べると影響は軽微であるとした。
海賊版サイトのブロッキングに関しては、長年コンテンツの分野を手掛けてきた自身の立場から、「価値あるコンテンツを、価値をもって届けることが必要。違法配信は止めなきゃいけないという思いはある」と話す。しかし、すでにブロッキングの対象となったウェブサイトが閲覧できなくなっていること、そして通信の秘密に関する議論が起きていることから、「通信事業者として慎重に対応していきたい」と話した。
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