Microsoftは、開発者向けカンファレンス「Build 2018」で、「Windows 10」搭載PCと「iOS」および「Android」デバイスの統合について多くのことを語った。
統合の橋渡しとなる1つが、Windows 10の新機能「Timeline」(タイムライン)だ。Timelineは、PC上でユーザーが行った全操作のスナップショットを、新しいものから古いものへさかのぼる順序で提供する。これによりユーザーは、例えば2日前に作業していたドキュメントに戻ったり、写真の編集に移動したりできるようになる。
Timelineは今後、スマートフォンでも提供される予定で、「iPhone」と「iPad」、およびAndroidフォンでもWindows 10搭載PCと同じくアクティビティ(アプリ、ドキュメント、ウェブサイトなど)に戻れるほか、スマートフォンとPCの間でも同じことができるようになる。Androidデバイスの場合は「Microsoft Launcher」を、iOSでは「Microsoft Edge」ブラウザをそれぞれインストールする必要があり、各アプリ内にTimelineにアクセスするボタンが表示される。
これを実現させるため、Timelineは「Microsoft Graph」を採用している。MicrosoftはGraphについて、「Microsoftのクラウド間で、人々、会話、プロジェクト、コンテンツの連携を支援するインテリジェントな枠組みであり、Windows、iOS、Androidデバイスを横断したシームレスな体験を実現」するものと表現している。
統合というパズルの次のピースは、Windows 10の今後のビルドで搭載予定の「Inbox」アプリだ。Microsoftでゼネラルマネージャーを務めるShilpa Ranganatha氏によると、ユーザーはPC上でInboxを使用して、スマートフォン内に保存された写真、テキストメッセージ、通知に加え、いずれは「その他の主なワークロード」にアクセスできるようになるという。
スマートフォンでテキストメッセージを受信すると、Windows PCの画面にミラーリングされる。それに対してインラインで返信するか、Inboxアプリを開いてそこから返信できる。写真の場合は、スマートフォン上の直近25枚の写真をPC上で閲覧できるほか、「Microsoft Photos」アプリで開いて編集し、PC内に保存できる。
同様に、最近の通知一覧を確認でき、通知をクリックすると、指定された「Windows」アプリまたはウェブサイトに誘導される。ただし、この統合機能もTimelineのように、Microsoft Graphがユーザーやユーザーのデバイスについて持っている情報を利用しているため、Ranganatha氏は会場内の開発者に対し、それぞれが開発するアプリにGraphを組み込むよう求めた。
これらはユーザーのデバイスへの足掛かりを得ようとする取り組みにも見えるが、Ranganatha氏によると、ユーザーは体験を完全にコントロールでき、データはデバイス間で共有されるだけで、クラウドとは同期されないという。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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