Facebookがディープラーニングフレームワーク「PyTorch」をオープンソース化する。
先週Facecbookが発表した「PyTorch 1.0」では、開発者は単一のフレームワーク内で研究段階から本番環境へシームレスに移行できるようになる。PyTorch 1.0は、研究開発に適したPyTorchの機能に「Caffe2」や「ONNX」の本番対応に適したモジュール機能が統合される。
Facebookは既にこの統合フレームワークを自社で利用している。PyTorch 1.0の基礎をなすテクノロジは、Facebookの多くの製品のAIを支えている。
PyTorch 1.0では、命令型実行モードと宣言型実行モードの間をシームレスに移行するハイブリッドフロントエンドを通して、開発者は迅速なテストとパフォーマンスの最適化の両方を行うことができる。Facebookによると、PyTorchの命令型のフロントエンドは、柔軟で生産的なプログラミングモデルを通して、より迅速なプロトタイピングと実験を可能にするという。
PyTorchの最初のバージョンは1年以上前にリリースされた。現行では、PyTorchからCaffe2に移行して本番環境に移すには、手動のプロセスを必要とする。このために時間がかかり、エラーも生じやすい。
Facebookは「Translate」の構築と実装にPyTorchとCaffe2、ONNXを使用した。これはFacebook上での機械翻訳に使用されるAIツールになっている。
これら3種類のツールの組み合わせは効果的だが、複雑で時間のかかる手動の手順は依然として残っていた。PyTorch 1.0では即時モードとグラフ実行モードの融合が実現されるという。
PyTorch 1.0は今後、開発者に「Python」の最適化やPythonからの移行でコード全体の書き直しを強いるのではなく、ハイブリッドフロントエンドを提供して、プロトタイピング用の即時モードと本番用のグラフ実行モードの間でほとんどのコードをシームレスに共有できるようにする予定だ。
PyTorch 1.0は数カ月以内にベータ版として提供される。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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