シャープは4月26日、2018年3月期通期の連結業績を発表した。売上高は前年比18.4%、営業利益は同44.3%の増収増益となり、10年ぶりに全四半期が最終黒字になった。
売上高は2兆4272億円、営業利益は901億円、経常利益は前年比3.6倍の893億円、当期純利益は702億円。2018年3月期第4四半期(2018年1~3月)の売上高は、前年同期比6.9%増の5978億円で、営業利益は同54.5%減の197億円、経常利益は同54.9%減の182億円となったが、前年同期の一過性の増加要因156億円をのぞくとほぼ前年並みになるとのこと。四半期純利益も同8.9%減の148億円だが、構造改革の進展により、前年並みの黒字を確保しているという。
セグメント別では、売上高は全4セグメントで増収を記録。なかでも液晶テレビやディスプレイモジュールなどを持つ「アドバンスディスプレイシステム」は、前年比29%増と大きく伸びた。
営業利益は、アドバンスディスプレイシステムが同10.4倍の370億円と伸びたが「スマートホーム」「スマートビジネスソリューション」「IoTエレクトロデバイス」が減益。カメラモジュールやCMOS、CCDセンサを持つIoTエレクトロデバイスが同35.9%減と大きく落ち込んだ。
シャープ 代表取締役兼副社長執行役員の野村勝明氏は「売上高は年間を通じて前年を上回ることができた。アドバンスディスプレイシステム以外の減益は、前年発生した156億円の増加要因がなかったため。特に落ち込みが大きかったIoTエレクトロデバイスも大手顧客の需要変動はあったが、独自デバイスは好調に推移している」と解説。さらに好調なアドバンスディスプレイシステムについては「タブレットや車載向けなど中小型パネルが順調なことに加え、中国で液晶テレビの売上が伸長した」(野村氏)ことが要因だとした。
シャープでは、今回の業績を受け、2011年度以来6年ぶりとなる配当を実施することを発表。2019年3月期の通期連結業績は、売上高が前年比19.1%増の2兆8900億円、営業利益が同22.1%増の1110億円、経常利益が同12%増の1000億円、当期純利益が同13.9%増の800億円を見込む。
野村氏は黒字化の要因を「戴社長(代表取締役社長である戴正呉氏)の強いリーダーシップがあったことは間違いない。加えて、各事業本部の社員たちがしっかりと応えたことにある」とコメント。今後については「新体制に移行して以来、継続的な構造改革ち事業拡大により、配当を実施するまでに業績を回復できた。この流れを止める事なく事業拡大に取り組み、着実に中期経営計画を達成し、財務体質の改善を図っていく」とした。
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