ドコモ、時速300kmの超高速移動環境での「5G」通信実験に成功

 NTTドコモは4月23日、日本電気(NEC)、日本電信電話(NTT)とともに、超高速移動環境における「5G」の通信実験に成功したと発表した。時速305kmで移動する自動車に搭載した5G移動局と、実験コースに設置した5G基地局との間で無線データ伝送に世界で初めて成功したという。


 この実験は、高速鉄道などの超高速移動環境における5Gサービスの提供を想定した自動車走行による実験として、4月8日に日本自動車研究所(JARI)のテストコースで実施された。実験で利用した28GHz帯の周波数は、電波の減衰が大きいため電波が遠くまで届きづらく、また直進性が強いという特徴がある。そのため、5G基地局と5G移動局の両方に、電波の放射エリアを特定方向へ集中させるビームフォーミング機能と、5G移動局の動きに合わせて電波の放射方向を制御するビーム追従機能を搭載した上でこれらを最適化。より早い移動速度における5G無線通信回線の設定と5G無線データ伝送の高速化を実現したという。

 さらに、5G無線通信回線を維持したまま接続先を瞬時に切り替える通信中基地局間ハンドオーバー機能の適用により、より広いエリアにおいて、超高速移動する5G移動局と5G基地局の間の5G無線通信を実現したという。超高速移動する自動車からのリアルな車窓映像を5G基地局へ送るため、NTTメディアインテリジェンス研究所が開発したリアルタイム4KハイフレームレートHEVCコーデックを介して、5Gで伝送する4K映像伝送システムを構築。超高速移動環境のように動きの速いシーンでも、現在の4K映像標準フレームレートの2倍滑らかで高い臨場感のあるライブ中継を実現したという。


 なお、最大時速300kmを超える超高速移動環境で安全に走行中通信実験を行うため、搭載装置類の重量やバランスなどを考慮したチューニングを施した超高速実験用自動車(NISSAN GT-Rベース特別チューニング車両)を開発し、使用したという。

 実験の実施にあたり、同社の5Gオープンパートナープログラムの参加企業のうち、ソニービジネスソリューション、カーレーシングチーム「DOCOMO TEAM DANDELION RACING」を運営するダンディライアンが協力した。


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