Twitterは、同ソーシャルネットワーク上でのロシアによる偽情報拡散を防止する意向を示し、多数の自動アカウントやボットを禁止した。この措置の一環として、ロシアを拠点とするサイバーセキュリティ企業のKaspersky LabもTwitterでの広告掲載を禁止されたという。
Kaspersky Labの創業者であるEugene Kaspersky氏は現地時間4月20日、書簡を公開し、Twitterの最高経営責任者(CEO)Jack Dorsey氏らに対して、Twitterで広告を禁止したことを非難した。Kaspersky氏はこの公開書簡の中で、Twitterが2018年に入り、Kaspersky Labのビジネスモデルが「Twitterで許容される広告と相容れない」として、Kaspersky LabによるTwitterプラットフォーム上の広告掲載を禁止したことを明らかにした。
同社は声明で、「Kaspersky Labは、違反したという有効な根拠や証拠なく広告を禁止するというこの行為は、表現の自由に対するTwitterの原則と矛盾していると考える」と述べた。
Twitterは声明で次のように述べた。「(広告掲載禁止の決定は)Kaspersky Labが、『Twitter Ads』で許容される商慣習と本質的に相容れないビジネスモデルを利用して営業しているとの判断に基づく。Twitterのルールに従うなら、Kaspersky Labは当社のプラットフォーム上でオーガニックなユーザーのままでいられる」
だが、Kaspersky氏は異議を唱えている。
Kaspersky氏は、Kaspersky Labに対するTwitterの決定は「地政学的な雑音」だと書簡で述べた。米議会議員はKaspersky Labがロシアとつながりがあることを懸念し、スパイが同社のウイルス対策ソフトを利用して機密を盗んでいると主張している。これについても、Kaspersky氏は何度も「虚偽の主張」だと述べてきた。
Twitterは、Kaspersky Labに関する米国土安全保障省の通知を引用し、Kaspersky Labの関係者とロシアの諜報機関との関係に言及した。
Kaspersky氏は、広告掲載禁止が解除されたとしても、2018年はTwitterに広告を掲載せず、代わりに電子フロンティア財団(EFF)に資金を回すと述べた。
2017年に、KasperskyはTwitter広告に9万4500ドル(約1000万円)を費やしたとされる。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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