欧州でオンライン事業を展開する企業に対し、ユーザーデータの取り扱いに全面的な見直しを求める欧州連合(EU)の一般データ保護規則(GDPR)が現地時間5月25日に施行される。これを前に、Facebookが同法の影響を受けるユーザーの数を抑えることを計画しているという。米国時間4月19日にReutersが報じた。
現在、米国とカナダ以外でFacebookを利用するユーザーは約19億人近くに上る。これらのユーザーには、アイルランドにある同社の国際事業本部によるサービス利用規約が適用されており、仮にGDPRが今すぐ施行された場合には、その対象になる。
Facebookは5月から、この規約の対象を欧州のユーザーに限定することをReutersに認めた。そうなると、アフリカ、アジア、オーストラリア、中南米の約15億人のユーザーにはGDPRが適用されないことになる。これは全Facebookユーザーの約70%を占める。
GDPRでは、ユーザーの同意なしに個人情報を収集し、利用した企業には罰金が科される。制裁金は世界の年間売上高の最大4%までが認められており、Facebookの場合は数十億ドルに上る可能性もある。今回の措置は、Facebookが自社の法的責任を軽減する目的とみられる。
ただし、FacebookはReutersに対し、「われわれは、ユーザーが規約に同意する相手がFacebook IncであろうとFacebook Irelandであろうと関係なく、すべての場所で同じプライバシー保護策を適用する」と述べている。
同社は17日の発表でも、まずはEU各国でデータプライバシーに変更を導入した後、同じ保護機能を世界中のすべてのユーザーを対象に拡大すると述べていた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」