「Microsoft翻訳」アプリ、オフラインでニューラル機械翻訳が利用可能に

Liam Tung (Special to ZDNET.com) 翻訳校正: 編集部 矢倉美登里 吉武稔夫 (ガリレオ)2018年04月20日 10時00分

 Microsoftの「Translator(翻訳)」アプリで、インターネットに接続しなくてもニューラル機械言語翻訳を利用できるようになった。

 クラウド処理のみに依存してニューラル機械翻訳を実行する代わりに、モバイルユーザーは、「iOS」「Android」「Amazon Fire」版の「Microsoft Translator」を利用していくつかの言語パックをダウンロードすることができる。

 Android版とその言語パックは既に提供開始されているが、iOS版はAppleによるアプリ審査段階にあるため、4月21日以降に提供開始される予定だ。「Windows」搭載端末でもまもなくサポートされる予定だとMicrosoftは述べた

 Microsoftによると、2017年終盤に一部のAndroid搭載スマートフォンでオフラインのAI翻訳をサポートしたことがあったが、その機能は、専用AIチップを搭載するスマートフォンのみで利用できるものだったという。Microsoftは、サポートしたスマートフォンの機種を明らかにしていないが、専用ニューラルプロセッサを搭載する端末は、Huawei(ファーウェイ)の「Mate 10 Pro」など、ごく一部に限られている。

 Microsoftは今回、アルゴリズムを最適化し、CPUにその処理を実行させ、AIチップを搭載しないすべてのスマートフォンでそれと同じ機能を実現した。

 Microsoftによると、オフライン翻訳でも「オンラインに近い質」のニューラル翻訳が可能だという。新しいニューラル機械言語パックは、Microsoftの標準オフライン言語パックよりも質は23%高く、サイズは約半分だという。

 Microsoftは、合計で44の言語パックを保有しており、現時点でニューラル翻訳がサポートされているのはそのうちの11言語だが、その数は今後増える予定だ。現時点でサポートされているのは、アラビア語、簡体字中国語、フランス語、ドイツ語、イタリア語、日本語、韓国語、ポルトガル語、ロシア語、スペイン語、タイ語となっている。

 Androidの開発者はニューラル翻訳パックを使用して、同じ翻訳機能を独自にアプリに追加することもできる。Microsoft Translatorアプリは、デバイスがオンラインであれば、「Azure」上の「Microsoft Translator」サービスから翻訳を引き出す。オンラインでない場合は、オフラインの言語パックを利用する。開発者向けのこの機能は、今後3カ月間にわたってプレビュー版として提供され、その後正式運用に移行する。

Microsoft翻訳
提供:Microsoft

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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