ドワンゴは4月16日、俗に“バーチャルYouTuber”“VTuber”と呼ばれるバーチャルキャラクターをパーソナリティとして登場させ、公開番組を放送できる「バーチャル機能」の開発ならびに、同システムを東京・池袋にあるニコニコ本社「ニコぶくろスタジオ」に対応したと発表。あわせて、さまざまなプラットフォームで3Dモデルが共通して使用できるVR向け3Dアバターファイルフォーマット「VRM」を開発。オープンソースとして同日付で公開した。
バーチャル機能は“バーチャルキャラクターと「目線が合う」コミュニケーション”をコンセプトに、ラジオの公開収録スタイルでリアルゲストや観客とのコミュニケーション放送を可能とするもの。放送ブース内には透過タイプの有機ELモニタが設置され、そこにバーチャルキャラクターを投影する形で登場させる。モデルデータを事前に送付することで、演者は身一つでスタジオ入りをして放送を行うことができる。
演者はブース裏の別室にてバーチャルキャラクターを操作する。トラッカーが付いたヘルメットを頭に、そして両手にトラッカーをそれぞれ装着。その動きが反映される。発声を感知してキャラクターの口も開閉し、表情はボタンによって変化する。放送ブースの様子は別室にも映し出されており、演者がその映像を確認しながら、話しかけたい人の方向を向いて話すことによって、目線をあわせた会話ができるとしている。
VRMは“プラットフォーム非依存の3Dアバターファイルフォーマット”を提案するものとして開発。クリエーターが使用するモデリングツールによって、構成や3Dデータフォーマットが異なるなど統一した取り扱いが難しいことが背景にあり、このような状況を改善し、3Dモデルクリエーターやアプリケーション側の取り扱いを簡単にするために作られたという。
これによりプラットフォーム共通のファイル形式として、対応アプリケーション全てにおいて同じアバター(3Dモデル)データを使うことが可能。生放送や動画、ゲーム、チャットなど、プラットフォームを超えた自由なコラボレーション実現の一助になることを目指すという。
VRM形式とその標準実装(Unity対応)は、無料かつ自由に使用できるようオープンソースで公開。4月13日から提供を開始したVRライブ・コミュニケーションサービス「バーチャルキャスト」利用時のアバターはVRMファイル形式を採用しているほか、立体投稿共有サービス「ニコニ立体」でも同形式の投稿受付を開始した。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス