ドローンで医療用血液を輸送--米スタートアップZiplineの挑戦 - (page 3)

Stephen Shankland (CNET News) 翻訳校正: 川村インターナショナル2018年04月06日 07時30分
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 その後、この電子モジュール(自動車用バッテリとほぼ同じ大きさだが、それよりはるかに軽い)をドローンの上部に装着する。複数の部品を組み立てる必要はない。それから、スタッフがドローンの機首を下にして直立させ、積み荷を搭載した後、スマートフォンでスキャンし、積み荷とドローンをデジタルにひも付ける。さらに、ドローンに取り付けられたいくつかのQRコードをスマートフォンでスキャンする。スキャンすると簡単なテストが開始されるが、ドローンはそのテストに合格しないと、次のフライトを開始できない。

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バッテリと電子機器が1つになったモジュールを機体に装着する。
提供:Stephen Shankland/CNET

 それぞれのドローンは、交換可能なモジュール式の部品で構成された軽量の飛行機である。例えば、翼は取り外すことができるし、フラップを動かすモーターは、尾翼の部品を現場で簡単に交換できるように設計されている。この設計も以前より簡素化されており、ねじの本数も80本からほんの数本だけになった。

 1つのバッテリパックがドローンに電力を供給している間に、別のバッテリパックが充電される。1日に500回のフライトを実現するためには、ドローン1機あたり約2.5個分のバッテリが必要で、1回のフライトで最大45分間持続する。

パラシュートによる積み荷の落下

 積み荷自体の重さは、約4ポンド(約1.8kg)まで耐えられるようになっている。積み荷は、ドローンの腹部にあるケーキ箱くらいの大きさの収納部分に収められる。荷物は、パラフィン紙製のパラシュートと一緒に手作業で積み込まれる。

 ドローンはその積み荷を、目標の落下地点から自動車2台分の駐車スペースほどの範囲内に落とすことができるが、Ziplineはその範囲を半分程度まで縮小したいと考えている、とWyrobek氏は語る。ドローンに搭載された空気センサが風速や方向を計測するので、ドローンが補正を行って、荷物をより正確に落とすことができるようになっている。

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提供:Stephen Shankland/CNET

 パラシュートによって荷物の落下速度は減速するが、それほど大きく減速するわけではない。積み荷が緩衝材で保護されているとはいえ、Ziplineが近い将来、ワイングラスを配送することは期待しない方がいい。実際に、同社は現在のところ、医薬品のみに注力している。血液から始めて、次にワクチンや処方薬にも手を広げる予定だ。血液の配送先は病院だけだが、そのほかの製品によって、Ziplineの配送サービスが診療所にも拡大する見通しである。

 血液は特に有効期間が短く、手元に十分な量が確保されていることはめったにない。Ziplineは道路の舗装が整っている国々でも、血液の配送を悩ます廃棄問題を緩和できるという。「われわれは廃棄血液の問題をほぼ乗り越えたと言える」とWyrobek氏は述べる。ルワンダでは、7000回の配送のうち、血液が廃棄されたのは3回だけだった。

 このテクノロジはほかの積み荷にも有効だろうが、同社は今のところ、それを目指してはいない。このことには、Amazonと直接競合しないという利点もある。Wyrobek氏は、歯ブラシなどを配送するというアイデアについては、幾分否定的な調子で語った。

 Ziplineの考えでは、医薬品の方がもっと重要だという。「最も大きなニーズが存在するのは、そこなのだから」(同氏)

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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