「課題はたくさんある。優れた航空宇宙企業にならなければならない。あらゆる天候の中で、人々の頭上を安全に飛行させる。それを責任を持ってやるためには、極めて信頼性の高いテクノロジと運用が必要になる」とWyrobek氏は語る。
米国では、連邦航空局(FAA)がドローン運用の承認に対して慎重な態度をとっているが、Ziplineは米国で事業を遂行する場所を見つけられると期待している。さまざまな州や地方自治体から、ドローン配送プログラムの開始に関する複数の提案が出されており、Ziplineもそれに含まれている。
Ziplineのドローンは飛行機のように見えるかもしれないが、滑走路は不要だ。
同社のシステムは3種類のハードウェアで構成される。具体的には、ドローンと、モーターで巻き取るケーブルを取り付けたドローン発進用走路、帰還したドローンをキャッチするケーブルを備えた2つのタワーのことだ。ドローンと発進装置は過去にも披露されたことがあるが、帰還したドローンをキャッチする装置は今回初めて公開された。その仕組みは、人間の操縦する航空機が、航空母艦の極めて短い飛行甲板に着地する時に使うアレスティングフックによく似ている。
この装置は、ドローン自体が帰還地点を目指して戻ってくることが前提となっている。ドローンが正しい航路を進んでくると、2本の棒が跳ね上がり、棒の間に張られたケーブルがドローン尾部の下側に取り付けられたフックに引っかかる。ドローンをキャッチしたら、ケーブルが伸びて、ドローンを減速させる。ドローンは釣り糸にかかった魚のように、コードからぶら下がる。その後、技術者がフックを外して、充電のためにバッテリパックを取り外す。
Ziplineの旧システムは1日に約50機のドローンを発進させることができたが、同社はドローンと電子機器の装置を合理化することで、その数を1日約500機まで増やした、とWyrobek氏は言う。第2世代のドローンは現在、ルワンダで使用されている。航続可能距離も従来の94マイル(約151km)から約100マイル(約161km)に増加している。
注文からドローン発進までの時間をどのように短縮したのか、紹介しよう。まずドローンの電子的な頭脳部分と通信機能、バッテリが1つのモジュールに統合された。テキストメッセージで注文を受けると、約1~2分でその目的地がドローンの電子機器に送信される。以前の装置では、この作業に10分を要していた。
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