――各ISPサーバにおいたコンテンツとは違うコンテンツが人気が出てしまったりということはないのでしょうか。
人気コンテンツは、Netflixが培ってきたノウハウを駆使して予測していますから、外れることはありませんが、予想を大きく上回ることはあります。
例えばドキュメンタリー「殺人者への道」は、私たちが思っていた以上の視聴者数を獲得しましたし、ドイツの連続ドラマ「ダーク」も同様に予想以上の人気を集めました。
特にダークは、すばらしい作品で、かなりいい反響が出るだろうと予測していましたが、期待以上の視聴者数を獲得しました。視聴者の90%はドイツ以外の国に住む人たちで、Netflixのグローバルプラットフォームがいかに優れたものであるかを示せた作品でもあります。
ダークのように、制作国以外の視聴者を多く獲得する例はまれではなく、同じようにブラジルや日本のコンテンツも国外からの人気もかなり高いです。
――コンテンツの人気予測は、サービスのレコメンド機能にもつながってくると思います。
レコメンド機能は、私たちが手掛けている作業の中でも最も複雑なものの1つです。重要なのは、Netflixはエンターテインメントコンテンツにおいて20年以上の経験値があるということ。これは映像配信以前のDVD宅配サービスの経験も生かされています。
会社の設立以来持っているデータから、ユーザーの作品視聴傾向をアルゴリズム化しています。映像配信サービスに変更してからは、どんなコンテンツを選んだかだけではなく、何を見始めて、どこで停止し、その次に何を選んでいるかという一連の流れも追うことができるようになりました。
この際、私たちが見ているのはコンテンツの視聴状況のみで、年齢や性別、国籍などは最初からメンバーに尋ねておらず、データとして一切見ていません。純粋にコンテンツの視聴傾向だけを見ることで、レコメンド作品を導き出しています。
Netflixのユーザー数は現在全世界で約1億1700万人ですが、プロファイルの数は約3億人に上ります。私たちは3億人分の視聴傾向を読み解き、最良のNetflix体験ができるようなレコメンド機能を備えています。
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