スウェーデン企業のEinrideは、自動運転が可能な電気自動車(EV)タイプの貨物運搬用トラック「T-pod」の試験を、同国の試験場「AstaZero」で実施した。2018年秋に実際の輸送に利用する方向で、現在作業を進めている。
T-podは、米CNETの報道によると、完全な自動運転のほか、遠隔操作による制御が可能なEVトラック。運転席を設けていないため、全長23フィート(約7m)というコンパクトなサイズを実現できたという。
米CNETは、EinrideがT-podで大量の貨物を長距離移動させるのでなく、少な目の荷物を短距離、頻繁に運ぶ用途に注力させ、柔軟性の高いロジスティクス構築を目指している、とした。また、長距離移動を諦めることで、特殊な大容量バッテリ開発や大量バッテリ搭載の必要性を排除しつつ、充電システムの簡素化を図ったそうだ。
さらに米CNETは、欧州で食料品店チェーンを展開するLidlのスウェーデン法人Lidl Sverigeが、すでにEinrideと提携済み、と報じている。Lidlは、2018年第3四半期までにT-podの利用を始める考えという。
なお、Einrideは、2020年時点でスウェーデンのヘルシンボリからヨーテボリの区間で200台のT-podを運行させ、年間200万枚のパレット輸送を実現させる計画。2035年には、スウェーデン国内の自動車による輸送の2割をT-podでカバーするとしている。
ちなみに、AstaZeroは、スウェーデン南西部にある都市、ブロースの郊外に設けられた、総合的な自動車試験場。都市部や郊外の道路、高速道路など多種多様な走行環境が用意されており、さまざまな試験に利用できる。
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