テスラ「Model X」の死亡事故、「Autopilot」作動中に発生

Edward Moyer (CNET News) 翻訳校正: 編集部2018年04月02日 08時42分

 Teslaは米国時間3月30日、23日に発生したSUV「Model X」の死亡事故について、衝突時に「Autopilot」機能が作動していたことを明らかにした。自動運転技術の安全性への懸念が高まる可能性がある。

 Teslaは同社のウェブサイトで、大破した同SUVから取得したコンピュータログが、Teslaの運転支援技術であるAutopilotが作動していたこと、またドライバーは衝突前の数秒間ハンドルを握っていないように見受けられたことを示していると述べた。

 車両は、カリフォルニア州の高速道路で中央分離帯に衝突して炎上し、乗っていた38歳のドライバーは死亡した。

 3月19日には、アリゾナ州テンペで女性がUberの自動運転車にはねられ、死亡した。テンペ警察によると、衝突当時、車両操作員が運転席に乗っていたが、車両は自動運転モードだったという。

 General Motors、BMW、Ford、トヨタなど世界の自動車メーカーの多くが、今後数年中に自動運転車を提供する計画だ。推進派は自動運転車について、ソフトウェアやセンサによって人間よりもすばやく周囲を「確認」して反応できることから、より安全だとしている。しかし、そうした車両は道路の走行に十分に対応できていない可能性があり、導入を急ぐべきではないという批判の声もある。

 Teslaのウェブサイトによると、「Enhanced Autopilot」には、「Autosteer」(オートステアリング)、「Emergency Braking」(緊急ブレーキ)、「Side Collision Warning」(側方衝突警告)などの機能があるという。また、「すべての運転者は、Autopilot使用時に注意を保って運転に集中する責任があり、いつでも行動をとれる状態でなければならない」としている。さらに、Teslaのすべての車両に、「人が運転するよりも安全性を大幅に向上することができる完全自動運転機能」に対応するハードウェアが搭載されていると記されている。

 Teslaはウェブサイトで、事故が起きる前の6秒間、ハンドルに手が触れられていなかったと述べた。また、ドライバーは衝突前に「衝突衝撃緩衝具の付いたコンクリートの中央分離帯を遮るものがない状態で見ることができた時間は約5秒間、距離は150mあった」が、事故を起こしたModel Xのコンピュータログによると「何の行動もとられなかった」という。

 Teslaはウェブサイトへの投稿で、Autopilotを擁護するさまざまな統計値を示し、この技術によって車両が従来の自動車よりも安全になることに疑いはないと述べた。

 Teslaは、「1年以上前に、米政府による調査で、初期のAutopilotは衝突事故を最大40%低減することが明らかにされた。社内のデータでは、Autopilotの最新アップデートによってシステムの信頼性が向上したことが確認されている」としている。

 また、「TeslaのAutopilotはすべての事故を防止するものではない。そのような基準を設けるのは不可能だ。しかし、事故が起きる可能性を格段に下げることができる」とし、「車両搭乗者、歩行者、自転車に乗る人の安全性を確実に向上する」と述べている。

 ドライバーは走行中、ハンドルに手を触れていない時に発せられる警告を複数回にわたって受けていたという。また、今回の事故の被害がこれだけ大きくなったのは、衝撃を減らすためにコンクリート製の中央分離帯に取り付けられている衝突衝撃緩衝具が、それ以前の事故で破損していたためだとも述べた。

テスラModel X事故
提供:Dean C. Smith via Twitter

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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