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「5G」の特許に力を入れるシャープ--特許ファミリー495件の利用許諾を宣言、その意味

坂本純子 (編集部)2018年03月30日 18時54分
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 シャープは3月30日、次世代移動通信規格である5G NR(New Radio)の標準仕様の初版に適合する規格必須特許について、「公正、合理的かつ平等な条件で利用を許諾する用意がある」と欧州電気通信標準化機構ETSI(ETSI)に宣言。ETSIの公式サイト に掲載されたことを発表した。

 通信規格の標準仕様に適合する特許を有する企業・団体などは、各国の標準化団体に当該特許の許諾条件を公表することが義務づけられており、今回の宣言はこれに対応したもの。

 宣言には、(1)保有特許を完全無償で提供する「無償非排他許諾」をする、(2)FRAND(Fair & Reasonable & Non-Discriminatory)な条件で提供する、(3)許諾しない──という3つの選択があり、一般的に3を選択した場合、標準化には反映されないという。

 シャープは今回、2つ目のFRAND宣言を選択している。シャープが利用許諾宣言をしたのは、初版仕様で策定された「超高速・大容量データ通信を実現する“eMBB(Enhanced Mobile Broadband)”と一部の低遅延機能」に関連する495件の特許ファミリーだ。ファミリーとは、同じ発明に対して、異なる国において特許出願をした場合、それらの出願特許群を「特許ファミリー」と称する。

 なお、3月23日時点で5GのETSI宣言は、Ericssonが1127件、Huaweiが1029件でシャープの495はそれに次ぐ件数を持つ。ただし、これから他の企業による宣言が増えてくることが予想され、また現時点の特許も一部に過ぎないことから、すでに申請済みの宣言も含めて増減があるものと見られる。

 シャープは、現在進められている3GPPでの標準化作業に積極的参加し、なおかつ4Gでも多くの特許を保有している日本企業の1社だ。

 なぜ標準化に参加し特許取得に力を入れているのか。2017年12月に行ったインタビューでは、「特許は国力のようなもの」と説明している。過去の経験から、自ら特許を取得することで紛争時に交渉できるようカードを持つことが重要と考え、3GPPでの標準化に参加するに至ったという。

 シャープは2017年5月に公表した「2017~2019年度 中期経営計画」において、事業ビジョン「8KとAIoTで世界を変える」を標榜する。

 5Gの通信システムは、より高速な通信速度、低遅延、大量の端末との同時接続といった特長を持つ。8K/4Kなどの「超高精細映像伝送」や「ロボティクス」「自動運転」といったさまざまな産業の発展に寄与する社会基盤としての役割が期待されている。シャープは、自社が有する5G技術を有効に活用しながら、事業ビジョンの実現を目指すとしている。

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