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ANAグループが描く“瞬間移動手段「AVATAR」”--双方向バーチャル体験の先にあるもの - (page 2)

坂本純子 (編集部)2018年03月30日 12時00分
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 夢のある話だが、本当に実現できるのか。ANA AVATARの実現のためには、ロボティックス・VR・AR・センサ・通信・ハプティックス(触覚)技術など、さまざまなエクスポネンシャル・テクノロジ(指数関数的に急成長している技術)が必要だ。それぞれの技術は開発が進んでいるものの、これらの技術を1つに融合し、実用化させることが重要になる。

 そこで、ANAは賞金総額1000万ドル(約10億)の国際賞金レース「ANA AVATAR X PRIZE」をスタートした。20~30年先の未来を5年~10年で実現しようという試みだ。

賞金総額1000万ドル(約10億)の国際賞金レース「ANA AVATAR X PRIZE」は、2021年10月に本戦を予定している
賞金総額1000万ドル(約10億)の国際賞金レース「ANA AVATAR X PRIZE」は、2021年10月に本戦を予定している

 優勝条件は、「初めて操作する人が100Km以上離れているアバターを遠隔操作し、単純作業から複雑な作業を行えること」。災害救助、介護、特殊作業などのシナリオをこなしポイントを競う。

 さらには、クラウドファンディングWonderFLYでプロジェクトを公開することで、支援を募ると同時に認知度向上やファン作りにも生かしたい考えだ。なお、WonderFLYはマイルを使って支援ができるのも特長の一つ。

 すでに一部には、既存の技術で実現できることもあるという。サービス化に向けては市場でのテストが重要だとし、10月から大分で実証実験を開始する。また、2019年4月から順次サービス化を予定している。実証実験は、教育、医療、観光、農林水産、宇宙開発と多岐にわたる。

 大分県知事の広瀬勝貞氏は、発表の場に遠隔プレゼンスシステム「Beam Pro」で登場し、「アバターによって、時間の壁や距離の壁を取っ払い、地方の課題を解決するのに役立つことを期待している」とコメントした。

 航空会社のANAがなぜこうしたバーチャルな試みに力を入れるのか。「航空会社はお客様を運ぶのが本当の目的。電話会議ができたとき、もう出張はなくなるのではないかと言われたが、なくならなかった。おそらくこの疑似体験も同じで、本物に触りたいという欲求は必ず出てくる。そういう意味ではアンマッチではない」(片野坂氏)と説明した。

ANA AVATARの専用アプリも登場予定だ
ANA AVATARの専用アプリも登場予定だ

 今回は説明会に伴い、(1)遠隔地の海などで実際に釣りができる体験「ANA AVATAR FISHING」、(2)遠隔地の水族館をはじめ、美術館、博物館、動物園などを体験できる「ANA AVATAR MUSEUM」(3)、遠隔地の海の中の貝を実際に潜って収穫できる「ANA AVATAR DIVING」、(4)遠隔地から客を案内する「ANA AVATAR AIRPORT SERVICE」──の4つのデモを披露した。

 また、ANAはANA AVATAR AIRPORT SERVICEの一環とし、Beam Proを使って遠隔で自動手荷物預け機「ANA Baggage Drop」を外国人に案内する実証実験もスタートしている。

4つのサービスデモを公開した
4つのサービスデモを公開した

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