ANAグループと、ソフトバンクグループのSBドライブは2月25日、空港における自動運転バスの導入に向けた実証実験を開始したと発表した。両グループによる実証実験を実施するにあたり、式典と報道向けに自動運転バス試乗会を開催した。
ANAは、技術革新によってより少ない労力と人数で働きやすい環境を整えたい考えで、自動運転バスの導入を通じて、空港の決められたルートを走行する定型業務の省力・省人化の実現を目指す。
サービス実証で使われるバスは、市販の小型バス車両「日野 ポンチョ」がベースだ。
ポンチョは、ステアリング、アクセル、ブレーキを自動で制御。走行ルートは、あらかめプログラムされている。走行ルートの座標を事前に取得し、主にGPSとジャイロセンサの情報から走行位置を推定して運行する。
通常GPSは数メートル程度の誤差がある。だが、数メートルの誤差があっては、隣の車と接触する危険性がある。このバスではRTK(Real-Time Kinematic)GPSと呼ばれる、数センチの誤差で位置を特定できるものを使用することで、安全に走行できるという。
車線維持の制御にはGPSに加えて磁気マーカや「みちびき」を使った準天頂衛星システム(QZSS)にも対応できる機能を備えるが、今回は使用していない。
SBドライブ 代表取締役社長兼 CEOの佐治友基氏は、「今回は、電気自動車ではなくてディーゼル車を使った実験。充電時間が要らない、航続距離が長い、活用する上でメンテナンスが今までと一緒でやりやすいなどの理由がある。電気自動車よりもディーゼル車のほうが自動運転化は難しい。ブレーキは油圧式を電動式に変えなければいけないといった作業が発生する。量産化するにはメーカーとの協力が必要になる」と語った。
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