多くの自動車メーカーやIT企業が先を争うように自動運転の技術開発を進めており、ドライバーの介在なしで公道を試験走行できる段階になってきた。しかし、Uberの自動運転車が歩行者をはねて死亡事故を起こすなど、完璧なレベルとは言えない。ただ単に走るだけなら人間よりも安定しているだろうが、不即の事態への対処は難しい。
アップルも秘密裏に自動運転技術の開発に取り組んでいるらしいが、特許までは隠せない。アップルから米国特許商標庁(USPTO)に出願された手信号認識技術のアイデアが、米国時間3月22日に「TRAFFIC DIRECTION GESTURE RECOGNITION」(公開特許番号「US 2018/0082134 A1」)として公開されたのだ。出願日は2017年9月19日。
この特許は、自動車に搭載されたカメラなどのセンサを通じ、歩行者のなかから交通整理をする警官や警備員を識別して、さらにその人の出す手信号などを認識する技術を説明したもの。請求項(クレーム)では車載する認識システムとしか述べていないが、実施例で自動運転車へ適用することを想定している。
センサから得たデータは情報処理部で解析され、自動車の近傍や進行方向にある物体が歩行者なのか障害物なのか調べ、歩行者の場合はさらに交通整理をする人かどうか判別する。交通整理員であれば、その人のジェスチャーや掲げる標識の意味を認識し、指示に従った動作をするという。
指示の内容としては、停止と減速のほか、走行する車線や迂回(うかい)路の指定などが考えられる。指示は手で合図されるジェスチャーだけでなく、標識、音声などで与えることも可能だ。
また、自動車側から交通整理員に対して、指示を認識できたとLEDやディスプレイなどで示すアイデアにも言及している。
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