カシオは、2.5Dプリントシステム「Mofrel」の販売を開始した。2.5Dというと聞き慣れないかもしれないが、金型をつくることなく専用のシートに木、布、石、金属などさまざまな素材が持つ繊細な凹凸や色合いをプリンタで表現できる。
主にデザインの試作などで使うことを想定したシステムで、専用のPCアプリケーションと特殊ジェットプリンタMofrel、専用の「デジタルシート」で構成される。
デジタルシートには4つの層があり、熱により膨張するマイクロパウダーをデジタルシート内に積層されている各バンプ層へ塗布。Mofrelによって昇温性能・応答性能に優れた管型近赤外線を均一に配光・配熱し、さらにカーボン分子により、その熱量をモチーフに沿ってコントロールすることで隆起の高さを制御。シートに目的に沿った凹凸を形成できる。
1枚あたりのプリント時間は約3分から6分。仕上がり時間は速く、インクジェットプリンタの再現力により、微妙な色味も再現できる。本体価格は500万円(税別)。
デジタルシートの基材は、紙ベースとPETベースがラインアップする。紙基材は、上質紙を基材としたスタンダードなシートで、メリハリのある凹凸と微細な質感を再現する。PET基材は、PETフィルムのしなやかさを特長とし、薄くて破れにくい素材だ。
「自動車の内装」や「建材」「アパレル」「壁紙」「靴」「タイル」「ステッチ」「シボ」「生地」「革」などの幅広い事例を持つ。
カラーバリエーションが必要なケースでも、デザインデータを修正するだけで簡単に作成でき、デザイン試作の修正も対応しやすい。製品・試作品製作の自由度を高め、コストと時間の大幅な削減ができるとしている。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス