Microsoftの研究者らは、中国語のニュース記事の文章を人間と同じ正確さで英語に翻訳する世界初の機械翻訳システムを開発したと発表した。
Microsoftの米国時間3月14日付けのブログ記事で紹介されているこの取り組みでは、人工知能(AI)システムをトレーニングするための手法であるディープニューラルネットワークを活用して、より現実的で正確な翻訳を可能にしているという。人間の学習方法を模倣するために、「デュアルラーニング」「デリバレーションネットワーク」「ジョイントトレーニング」など、複数の異なるAIトレーニング手法も採用している。
研究者らによると、一連のニュース記事で構成される「newstest2017」というテストセットで、人間と同等のレベルを達成したという。newstest2017は、業界および学術機関のパートナーらによって開発され、2017年秋の研究カンファレンスで公開されたテストセット。専門的に翻訳されたオンラインニュース記事のサンプルからの約2000の文章が含まれている。
MicrosoftによるAI関連のこの新たなマイルストーンは、同社の北京とワシントン州レドモンドにある研究所の3つのチームによる共同研究の成果だ。現時点ではまだ1つの研究活動であり、リアルタイムのニュース記事で同システムをテストした結果はまだ公開されていない。
Microsoftは、中国語から英語へのニュース翻訳で人間と同等レベルを達成した方法を説明した研究論文と、この研究翻訳システムをユーザーが試用できるウェブサイトを公開している。
この技術が商用提供できるようになるのはいつ頃かと筆者が問い合わせたところ、「できるだけ早い製品化を目指して取り組みを進めているが、現時点では何も発表することはない」と同社の広報担当者は述べた。
さらに、「将来的には、こうしたシステムが『Microsoft Translator』など、Microsoftの市販の翻訳ツールに適用される可能性がある。Microsoft Translatorは、アプリやAPIのほか、『Office』や『Bing』などを含む多数のMicrosoft製品の翻訳エンジンとしても提供されている」とした。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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