楽天は3月13日、楽天グループの研究開発機関である楽天技術研究所(RIT)とマリタイム・ロボティクスが、無人貨物船と関連技術の共同研究を実施することで合意したと発表した。
マリタイム・ロボティクスは、2005年にノルウェーのトロンヘイムに設立された、過酷な環境下での海運業務に使用できる無人技術ソリューションを提供している。今回の共同研究では、RITはコンピュータビジョンと物体認識、意思決定AI、物流最適化に、マリタイム・ロボティクスは制御・センサシステム、通信・制御室システムに重点を置いて取り組むという。
同社によると、現在の物流網はトラックによる陸上輸送が中心であり、膨大な人手と、道路、トンネル、橋梁、ガソリンスタンドなど、トラック輸送のためのインフラへの大規模投資が必要だと指摘。また、トラック輸送は環境汚染と渋滞の原因にもなることから、共同研究ではこうした問題の解決策としてUSVの利用の可能性を探求するとしている。
USVは、陸上輸送に比べて最高速度は劣るが、航行の自由と自律性によって継続的な運航を実現し、運航コストの削減と効率化が期待できるという。また、トラック輸送ほどのインフラ投資を必要とせず、現状の港湾やドック、その他の既存の海上インフラを利用しての運用が可能だという。
操作においては、コンピュータビジョンと遠隔制御技術を活用。これにより、オペレーターはより正確に状況を認識・把握でき、さらにAIによる制御支援によって人間の関与を減らすことで、人的事故のリスクの低減と、オペレーターの仕事量の軽減も実現できるという。さらには、船舶はトラックより稼動寿命が長いため、物流チェーンの効率性が向上するとしている。
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