2月27と28日の2日間に渡って開催されたイベント「CNET Japan Live 2018 AI時代の新ビジネスコミュニケーション」。2日目のエヌビディアの講演では、ゲーム向けに開発されたGPUがディープラーニングに利用されるようになった背景や、GPU処理によるAI活用の最新事例、ディープラーニング向けの同社製品の情報などが語られた。
「GPUによる新しいコンピューティングの時代」と題されたエヌビディアの講演では、エヌビディア合同会社 エンタープライズマーケティング本部 シニアマネージャの佐々木邦暢氏が、GPUがディープラーニングに活用されるようになった背景から解説した。
かつてはゲームの3次元グラフィックスを高速かつ美しく描画するためのPCパーツとして、多くのPCゲームユーザーの人気を集めていたNVIDIA製グラフィックスカード。ところが2000年代前半、グラフィックスカードの心臓部であるGPUを、高効率で特定の計算処理に活用できるとする、当時スタンフォード大学在学中だったIan Buck氏による論文が公表され、これがGPUの新たな可能性を切り拓くことになった。
Ian Buck氏はその後、2004年にNVIDIAに入社し、現在の機械学習やディープラーニング処理で重要な役割を果たしている並列計算処理用プラットフォーム「CUDA」を開発している。
3次元グラフィックスは膨大な数の三角形(ポリゴン)の座標計算によるもので、それが得意なGPUはディープラーニングで必要となる行列の積和演算のような処理に元々向いていた、と佐々木氏。CUDAの発表後、ディープラーニングの学習処理にNVIDIAのGPUを利用するケースが徐々に増え、2008年にはNVIDIAのGPUを採用したスーパーコンピューターが上位の処理能力をもつようになった。今やスーパーコンピューターの1ワット当たりの処理能力を競う「Green500」ランキングにおいて、上位13システムでNVIDIAのGPUが採用されているほどだという。
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