2020年度から必修--小学校プログラミング教育のポータルサイト、3月末に刷新 - (page 2)

 だが、「(プログラミング教育は)子どもたちが楽しんで深い学びに触れる良いタイミングだ。現場をヒアリングすると『授業終了のかけ声を必要とするほど、子どもたちが集中する』シーンも少なくない。それらを目にする先生は『教師魂』を揺さぶられる。そのような状況を増やしつつ、相乗効果を拡充させたい」(中川氏)と取り組みの姿勢を述べた。

 具体的には小学校プログラミング教育を次の6段階に分類する。

 まず、教育課程内のプログラミング教育として、A.学習指導要領で例示されている単元などで実施するもの、B.学習指導要領に例示されていないが、学習指導要領に示される各教育などの内容を指導する中で実施するもの、C.各学校の裁量により実施するもの、D.クラブ活動など特定の児童を対象として実施するもの――の4分類に分割。そして教育課程外のプログラミング教育としてE.学校を会場として実施するもの、F.学校以外を会場として実施するもの――の2段階を用意する。

 「現場の先生は『E』の内容を『A』で実施すると混乱しているケースもある」(中川氏)からこそ、学校現場や教育委員会が混乱することなく、プログラミング教育を展開するための分類と整理が必要だという。

 ポータルサイトは3月30日からの本格運用を予定しており、7月から機能拡充を目指す。あくまでも学校現場にいる教師や教育委員会、ICT教育に携わる民間企業を対象にした会員制サイトだが、保護者などでも閲覧できる。

 先に並べた6段階の分類に沿って、プログラミング教育の実施事例や教師を対象にした研修事例に関する情報を取りまとめる。7月以降はコンソーシアム会員として参加した民間企業が、プログラミング授業に使える教材の情報なども扱い、教育委員会と賛同企業、有償無償の研修情報といったマッチング機能も備える予定だ。

 公序良俗違反を避けるため、会員申込企業に対しては事務局が審査し、プログラミング教育に関連しない企業には門戸を閉じる。「あくまでも(ポータルサイトは)事例を集める場所。収益化を求める企業は遠慮してほしい」(中川氏)

 中学・高校生を対象にしたプログラミング教育については今後の取り組みとなる。中川氏は「メンバーも元はエンジニア。PCは人に寄り添う道具であるからこそ、実社会でどう役立つのか、クロスカリキュラム(科目横断的指導)的に取り組んで行く」と意気込みを語った。

新ポータルサイトの概要
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