T-Mobileは、ニューヨークやロサンゼルスなど30都市で2018年に5Gを展開すると語ったが、やはりサービスは2019年にならないと始まらない。5G対応のスマートフォンがそろわないからだ。
AT&Tは、2018年の後半に、アトランタやダラスなど10以上の市場でモバイル5Gを提供するとしている。Verizonの最高技術責任者(CTO)Hans Vestberg氏によると、モバイル5Gサービスでは同社が最初になるということだったが、それ以外の詳細はほとんど語られていない。同社は、カリフォルニア州サクラメントを手始めに、家庭用インターネット接続の乗り換えを狙った固定サービスとしても5Gを提供しようとしている。
その一方で、早くも6Gを真剣に話題にしている Charter Communicationsというケーブルテレビ会社もある。
こうした計画の話だけでも、頭が混乱しそうだ。
「きっと分かりにくいだろう。仕事でやっている私でさえ、混乱するくらいだ」と、T-MobileのCTOを務めるNeville Ray氏は記者会見で軽口をたたいている。
対応するスマートフォンがまだ登場しないことを受けて、VerizonとAT&TはモバイルWi-Fi端末を展開することを計画している。これらのモバイルWi-Fi端末は、5G信号を受信してWi-Fiをブロードキャストすることで、使用しているデバイスにポータブルインターネット接続の機能を提供する。
モバイルWi-Fi端末とノートPC用Wi-Fiカードは、LTEのサービスが始まったときに普及した。次世代の無線端末を動かすデバイスを提供するには、最も簡単で安価な方法だったからだ。
Wi-Fi端末やWi-Fiカードは使わずに終わる人もいるだろう。LTE時代の初期でさえニッチなデバイスであり、これを重宝したのは主にキャリア各社だった。実際の顧客におけるネットワーク動作のデータを得られるからだ。
それよりもユーザーが興味を持つのは、5G対応の最初のスマートフォンだろう。だが、初期の4G対応スマートフォンでも悩まされたように、最初に登場するモデルは何らかの問題を抱えている場合があるので注意が必要だ。HTC初のLTE対応スマートフォン「HTC Thunderbolt」などのは厚みがあり、バッテリ持続時間も短く、発熱するという傾向があった。
T-MobileのRay氏は、高級なフラッグシップモデルで5Gが採用されると予測している。一方、AT&TでCTOを務めるAndre Fuetsch氏によると、4GのときのThunderboltのように、5G技術を搭載する専用のスマートフォンが登場する可能性もあるという。
「最初のモデルには、問題がつきものだ」とFuetsch氏は言う。
ZTEは、そうした問題を回避しようと、しばらく前からインフラとデバイスの両方をテストしていると語った。「大切なのは、いかに実装を最適化するかということだ」と、ZTEのモバイルデバイス部門担当CEO、Lixin Cheng氏は述べている(注:Cheng氏は筆者と同姓だが、筆者とは無関係である)。
同様に、Verizonにとっても大きな懸念ではないようだ。Verizonのデバイス部門責任者Brian Higgins氏は、次のように語った。「4G LTEをリードした経験から、われわれは多くのことを学んだ。新しい技術を有効利用するために必要なインフラ、デバイス、バッテリ持続時間、アプリを、エコシステムのパートナーが改良しやすい環境を築く方法も、そのひとつである」
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