HTCは、同社が展開しているVRシステムならびにヘッドマウントディスプレイ(HMD)「Vive」の上位機種にあたる「Vive Pro」を、東京都新宿区にあるVRエンターテインメント施設「VR ZONE SHINJUKU」に導入し、3月9日から試験運用を開始すると発表した。国内では初お披露目かつ、試験運用ながらも商業施設への導入は世界で初めてという。
Vive Proは1月に米国で行われたCES2018にて発表されたもの。高解像度化による映像面の強化をはじめ、オーディオ機能や装着感の向上を図ったVRデバイスとなる。
Vive Proのディスプレイ解像度は2880×1600の615ppiと、現行モデルから78%向上。説明にあたったHTC NIPPON VR Business Unitディレクターの西川美優氏は「パネルサイズ自体はほぼ同一なので、密度が細かくなった。映像に“網目感”がほとんどなくなっている」と話す。特に開発チーム調べで、VR機器の購入者や検討者の89%が「解像度が大事」と回答していたことも背景にあるとした。
オーディオ面では、ヘッドホンがHMDと一体化する形で付属。内蔵アンプの搭載やハイレゾ対応のほか、SDKの組み込みにより3Dサウンドによる表現も可能だという。またマイクはデュアルマイクとなり、ノイズキャンセリングも搭載しているため、ボイスチャットなどの音声はクリアに聴こえるという。
装着感については「開発に一番時間がかかり苦労した部分」という。重量バランスの向上をはじめ、HMD部分については15%軽量化。またフェイスクッション部分は24%拡大しストレスを低減したうえ、より眼鏡が入りやすい構造に改良するなど、装着時の快適さには特にこだわっているという。細かいところでは、花びらから発想を得たという独自デザインのノーズパッドを採用し、光の侵入を抑えてより没入感を高めているという。
HMDの細かいところでは、フロントカメラが2つ搭載されARやMRのような表現ができるとのこと。またHMD自体にもUSB-C端子を搭載し、HMDのフロント部分などで別のデバイスを付けて活用するといったこともできるという。
ベースステーションについては、これまで発売されたものでもVive Proは使用可能。今後発売される予定の新しいベースステーションを4つ使うことで、10m×10mのスペースでトラッキングが可能となる。なお販売時には、ベースステーションとHMDなどのフルパッケージ以外に、アップグレードキットとしてHMDの単体販売も予定。現状において発売時期や価格などは未定で、近日発表予定としている。
VR ZONE SHINJUKUのテスト運用については、3月9日から稼働を開始する新作VRアクティビティ「大量破壊VRシューティング ギャラガフィーバー」にVive Proを使用。カラフルなギャラガたちを打ち落としていくガンシューティングゲームで、映像の綺麗さを体験することができる。
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