Spotify、ニューヨーク証券取引所への直接上場に向け申請書を提出

Joan E. Solsman (CNET News) 翻訳校正: 編集部2018年03月01日 12時55分

 音楽ストリーミングサービスのSpotifyが、ニューヨーク証券取引所(NYSE)での株式公開に向けた登録届出書を米国時間2月28日付で提出した。同社の提出書類によると、Spotifyの有料登録ユーザー数は「Apple Music」の約2倍の規模を誇るという。Apple Musicはストリーミング音楽市場におけるSpotifyの最大のライバルだ。

 提出書類によると、Spotifyは2016年時点で約42%の市場シェアを誇る世界最大のストリーミング音楽サービスだという。2017年12月末時点でSpotifyを少なくとも月に1回利用する有料登録ユーザー数は7100万人、無料登録ユーザー数は1億5900万人である、と同社は述べた。

 Appleにコメントを求めたが、すぐに回答を得ることはできなかった。2月上旬には、Apple MusicとSpotifyの有料会員数の伸び率を基に、Appleは世界最大の音楽市場である米国でSpotifyの規模を追い越すペースで成長している可能性があると報じられた。

 提出書類によると、Spotifyの無料プラン(AppleやAmazon、Google、Tidalはトライアルを除き、無料プランを提供していない)は有料登録ユーザーの獲得に重要な役割を果たしている。有料登録ユーザーの60%は、広告が配信される無料プランをきっかけにして、Spotifyの利用を開始したという。

 広告が配信されない有料プランは月額9.99ドル(980円)で利用可能で、そのほかのさまざまな特典も含まれる。Spotifyは「SPOT」というティッカーシンボルでNYSEに株式を公開し、10億ドル(約1070億円)の資金調達を目指す予定だ。10億ドルという金額は、規制手数料を計算するための見積もり額だが、株式の価値は開かれた取引所での取引によって決定される。書類に実施時期は記載されていない。通常の新規株式公開(IPO)と異なり、同社は証券会社による引き受けを省いた直接上場での公開を目指す。

 過去2年でSpotifyのユーザー数は増加し、ユーザーが同サービスで音楽を聞く時間も同様に伸びている。2017年末時点の平均使用時間は前年同期比で13%増加した。Spotifyのプレイリストは高い人気を誇る。Spotifyでの全ての音楽再生の約31%は、キュレートされたプレイリスト、または自動化されたプレイリストのいずれかから行われたものだった。2年前、それらのプレイリストが音楽再生に占める割合は、20%以下だった。

 しかし、Spotifyの書類には、マイナス要素も記載されていた。同社は利益を上げておらず、損失が拡大している。2017年、同社の売上高は前年比39%増の40億9000万ユーロ(約5320億円)を記録したが、損失も前年から拡大して12億3500万ユーロ(約1610億円)に達した。 同社の最大のコストは、音楽のライセンス料(楽曲が再生されるたびにアーティストや作曲者、レーベルに支払われる)である。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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