自動運転のシステムと課題--ANA×ソフトバンク、羽田空港で自動運転バスの実証実験 - (page 3)

自動運転で事故、誰の責任か?

 運転席にドライバーがいないレベル4相当で事故が起きた場合、誰の責任になるのか。今回は遠隔監視者に運転責任があるとみなすという。そのため、この実験に向けて2名のエンジニア自身が大型二種免許を取得している。

 日常生活におけるバスの運行プロセスを考えると、ドライバーは単に運転するだけでなく、乗客の案内やトラブル対応などさまざまな役割を担っていることがわかる。

自動運転実用化に向けて必要な2つの安全
自動運転実用化に向けて必要な2つの安全

 改めて自動運転化で必要な安全について考えると、交通事故の防止など「走行の安全」、車内事故の防止や乗客案内、トラブル対応といった「乗客の安全」の2つに分けられるとSBドライブは説明する。

 現在は、運行における安全の確認を、1台のバスにつき1人が集中して監視するが、実際のビジネスとして考えるとそれでは成り立たない。今後は、実験によってデータを収集し、1人の遠隔監視者が複数台を同時監視できる「完全なレベル4」を目指すことで、ドライバー不足の課題に貢献したいとしている。

レベル4相当における実証実験の責任は遠隔監視者に
レベル4相当における実証実験の責任は遠隔監視者に
さまざまな検証実験を経てレベル4相当の実証へ
さまざまな検証実験を経てレベル4相当の実証へ

 自動運転が一番苦手とするのは、人間が運転する車両との協調だという。「たとえば、交差点で出会い頭にどちらが先に行くか。人間同士ならできるアイコンタクトができない。もともと空港エリアは、管制区域なので、自動運転車がきたら先に行きましょうといったルールを付けやすい。まずこういうところから成功事例ができたらエリアを広げたい」(佐治氏)と説明した。

自動運転システム検証車両の運転席
自動運転システム検証車両の運転席

 実証実験の開始にともない、プレス向けの試乗会が開催された。レベル4は人が乗れないため、レベル3のクルマに試乗したが、きちんと規定のバス停に停車。ややブレーキングが急な印象を持ったが、人が急に横切ろうとした際に、きちんと停車する一幕にも遭遇した。実際の様子は、映像で見てみてほしい。



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