Impervaのセキュリティリサーチャー、Nadav Avital氏は米ZDNetに次のように語った。「ウェブサーバをハッキングする際、ハッカーは脆弱性のあるサーバにどんなASICが組み込まれているか推測できない」
結局、ビットコインのマイニングを成功させるには特別なツールと高性能なコンピュータが必要で、ほとんどの一般家庭やオフィスのコンピュータは条件に合わない。
FireEyeの上級脅威インテリジェンスアナリスト、Kimberly Goody氏は米ZDNetに対し「平均的なPCよりもかなり高いコンピューティングパワーを必要とすることが、ビットコインマイニングの難易度を高めている」と語った。
不正にビットコインをマイニングするためにこれだけの苦労が必要であれば、サイバー攻撃者がこの手段を使いたがらないのは当然だ。モネロのように、どんなコンピュータでも、スマートフォンによってさえも簡単にマイニングできる暗号通貨が他にあるのだから。
「モネロのマイニングは特別なASICを必要とせず、どんなCPUでも、GPUでも可能だ」とCheck PointのHorowitz氏は言う。
モネロのマイニングファームはビットコインのものより小規模なものが多いが、マイニング作業を発見されなければ、安定した収益を上げられる。それに、ほとんどのユーザーは自分のPCのファンがいつもよりうるさく回っていることに疑問を持ったりしない。
犯罪者にとって、ビットコインに比べてモネロには特に大きな長所がある。完全に匿名なのでユーザーは追跡されないのだ。ビットコインにもある程度のプライバシーはあるが、完全ではない。サイバー犯罪者はビットコインウォレットの解析機能で追跡されてしまう。
「モネロのような他の暗号通貨は、トランザクションのプライバシーと匿名性についてはビットコインをはるかに上回る。これは、暗号通貨マイニングのために他人のハードウェアを悪用するサイバー犯罪者にとって、重要なポイントだ」(FireEyeのGoody氏)
ビットコインは最も人気のある暗号通貨ではあるだろうが、攻撃者がマイニングするには難しい点が多く、実行する上でセキュリティを大きく損なう可能性がある。それが、ビットコインの不正マイニングの需要が少ない理由となっている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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