2018年に入ってからのサイバーセキュリティ界隈の主なトレンドを見れば、暗号通貨マイニングがサイバー犯罪の新たなターゲットになっていることは明らかだ。
ランサムウェアはいまだに犯罪者にとって人気のある収益手段だが、暗号通貨の流行はサイバー攻撃者の関心を引いたようで、暗号通貨マイニング関連のマルウェアに関するニュースが頻繁に報じられるようになっている。
スマートフォンからPC、サーバにいたるまでのあらゆる端末にハッカーが侵入し、密かに暗号通貨をマイニングするためにプロセッサパワーを悪用する。そうした陰謀の中には、数百万ドル相当を生成したものもある。
攻撃者は、さまざまな種類のブロックチェーンベースの暗号通貨を生成するためにマイニングしている。だが、暗号通貨として最も一般的で強い存在感を持ち、地下活動でも人気のあるビットコインは、不正なマイニングが他の暗号通貨に比べてそれほど多くない。
Impervaも最近の報告で、現在ある暗号通貨の中でビットコインが最も人気があるものの、ビットコインをマイニングするためにサーバをマルウェアに感染させる攻撃が他の暗号通貨より少ないことを指摘している。
ビットコインは現在、最も価値の高い暗号通貨だ。本稿執筆現在、1ビットコインはおよそ1万1500ドル(約123万円)だ。当然、攻撃者にとってビットコインはマイニングで簡単に金を稼ぐ最良の手段のように見える。では、なぜ犯罪者はビットコインマイニングに集中しないのだろうか?
理由の1つは、ビットコインのマイニングにはカスタムメイドのApplication-Specific Integrated Circuit(ASIC)と呼ばれる集積回路を必要とすることだ。つまり、この特別なハードウェアを搭載するシステムをビットコインマイニング用マシンにする必要がある。
Check Point Software Technologiesで脅威インテリジェンスグループのマネージャーを務めるMaya Horowitz氏は、米ZDNetに対し「ASICを搭載していない普通のPCでビットコインをマイニングすることにはほとんど意味がない」と語った。
攻撃者にとって問題なのは、ビットコインマイニングマルウェアに感染させようとするコンピュータに何が搭載されているか分からないことだ。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス