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ドコモのベンチャー投資は第3段階へ--5つの協創分野も紹介

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 NTTドコモ・ベンチャーズは2月20日、東京都内で「NTTドコモ・ベンチャーズ DAY 2018」を開催した。2008年に発足したNTTグループのベンチャーキャピタルである同社のこれからの取り組みや、具体的な協業の事例などを披露するイベントだ。同社はこのなかで、2018年以降は単純な投資に止まらず、他社とのパートナーシップを一層強化していく方針を明らかにした。

海外企業との協業を進め、投資以外の支援も

 開会の挨拶に立ったNTTドコモ・ベンチャーズ代表取締役社長の中山俊樹氏は、前身のNTTインベストメント・パートナーズとして発足した2008年創業時をファーストギア、NTTドコモ・ベンチャーズへと移管した2013年をセカンドギアに例えたうえで、2018年はあらゆる活動のレベルを引き上げたサードギアへと変え、「フルギアチェンジしてぐんと前に進む」と語る。


NTTドコモ・ベンチャーズ代表取締役社長 中山俊樹氏

 具体的には、総額500億円に達しているファンドと、2017年に開設したもう1つの拠点である米シリコンバレー支店や、NTTグループの海外現地法人のリソースをベースに展開。運営開始から5年が経過したイノベーション協創プログラム「ドコモ・イノベーションビレッジ」や、サービス・デバイス間をAPIで連携させる「Open partnership」などの取り組みを通じて、AIやIoTのような新しい分野を軸に、ベンチャー企業やパートナー企業とのコラボレーションを深めていくとした。


500億円のファンドとグローバルソーシングを元に、グループ企業やベンチャー企業らとともに、イノベーションに取り組んでいく

 次に登壇した同社取締役副社長の稲川尚之氏は、インターネット黎明期の「フリーで使える、フリーで読める」という考え方から、近年ではお金を支払って情報を得ることが当たり前の流れに変わり、「情報の価値の向上」が進んでいることに言及した。これにより新たなニーズと新たなサービスの誕生が期待され、デバイスとソフトウェアのこれまでにない組み合わせから「新たなイノベーションが起こる時代にきている」と述べ、その中で同社がなすべきことを「フォーカス」「拡大」「連携」という3つのキーワードで解説した。


NTTドコモ・ベンチャーズ取締役副社長 稲川尚之氏

 まず「フォーカス」については、ドコモが2017年4月に発表した中期戦略「beyond宣言」で「スタイル革新」として宣言した9分野(「AR/VR、スポーツ」「次世代モビリティ」「シェアリング」「AIエージェント」「FinTech」「ヘルスケア」「ドローン」「ワークイノベーション」「ワークマッチング」)の中から、さらに注目分野に絞って取り組む。シリコンバレーでも新しいアイデアはトライ&エラーが繰り返されているとして、それを参考に「組み合わせに注視しながらソーシング(協業)の質を高めていきたい」とした。

 また「拡大」では、シリコンバレー支店との一体的な連携を足がかりに、米国だけでなくイギリス、フランス、ドイツなどの欧州企業、さらには技術力の高いイスラエル企業との協業を探る。2020年のサービス開始を目指す次世代ネットワーク技術「5G」のインフラで活きる技術、サービスなど、可能性が高そうな分野へも協業対象を広げていきたいという。


米国、欧州、イスラエルなどの企業との協業も検討していく

 そして最後の「連携」では、ベンチャー企業へ投資を行うだけでなく、M&AやIPOに向けた支援など、事業参画への協力を通じて「一緒に走っていきたい」と同氏は話す。ベンチャー企業が技術とモチベーションを発揮して「NTTグループを動かすことで、政府が、日本が動くかもしれない」とし、「我々はベンチャー企業のそうした事業拡大の入口になりたい」と語った。

AI技術をはじめとするAPI活用を推進

 続いてドコモの事業担当者らによるピッチセッションが行われ、ベンチャー企業との協創分野になりうるドコモのサービス、技術を次々と紹介した。

 1つ目のテーマは「AI」。ドコモでは「docomo Developer support」というウェブサイトを通じて、開発者が無償・有償で使えるAPIを提供している。ドコモ自身が提供する音声認識や画像解析、課金に用いる「d払い」といったAPIに加え、パートナー企業が提供するさまざまなAPIもセットになったオープンなプラットフォームとなっている。



「docomo Developer support」を通じて提供されているAPI

 これに含まれるAI技術の1つが、チャットボット基盤「Repl-AI」。ドコモが開発した自然言語処理技術をベースとし、GUI上でシナリオ作成などが可能なチャットボット開発用APIとなっている。その採用事例として紹介したのが、横浜市が提供する「イーオのごみ分別案内」。ごみの名前を入力すると、チャット風の画面でマスコットキャラクターがごみの種別や分別方法を教えてくれるというものだ。「旦那」と入力すると偉人の名言を引用してなだめるなど、そのやり取りの柔軟さがユニークなことで一時期話題になった。

 もう1つは「AIエージェント基盤」。バックグラウンドにある情報コンテンツやウェブサービスと連携し、あらゆるデバイスで対話型AIサービスの提供を可能にするAPIとなっている。従業員の代わりにロボットが対応することで話題の「変なホテル」(長崎)に設置されるぬいぐるみなどでの採用が予定されている。


Repl-AIを採用した横浜市の「イーオのごみ分別案内」

AIエージェント基盤はコミュニケーションロボットでの採用が予定されている

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