ベネズエラのNicolas Maduro大統領が、暗号通貨を新たに導入する方針を明らかにした。その狙いは、同国の深刻な経済状況を緩和することにある。
BBCの報道によると、Maduro大統領は現地時間12月3日、同国の石油、ガス、金やダイヤモンドを裏付けとする仮想通貨「Petro」(ペトロ)を新たに発行すると発表した。
大統領はテレビ演説の中で、この仮想通貨でベネズエラは「通貨主権の問題を前進させ、金融取引を可能にして金融封鎖を克服する」ことができると語った。
報道によれば、大統領は喝采を送る人々に向かって、「21世紀がやって来た!」と高らかに述べたという。
エコノミストらによれば、ベネズエラはハイパーインフレーションの瀬戸際にあり、2018年には消費者物価が2300%以上上昇する見込みだという。すでに同国では、多額の負債と石油価格の下落によって食料品と医薬品が不足し、賃金は生活費の高騰に見合うほど上昇せず、犯罪が増加している。
また、米国による制裁にも苦しんでいる。米国は、ベネズエラの一部政府関係者が汚職や麻薬密売に手を染めているとして、金融制裁を科している。
ベネズエラの負債は増加を続けており、およそ1400億ドル(約16兆円)に達すると見込まれる。Maduro大統領は負債を完済する新たな方法を模索しており、米国の制裁を今回の発表では「封鎖」と表現している。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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