MicrosoftがArm版「Windows 10」の「制約」を説明する新しい文書を削除した。
「Limitations of apps and experiences on Arm」(Arm版Windows 10上のアプリや体験の制約)と題されたこの文書は米国時間2月15日、Microsoftの「Windows Dev Center」に掲載され、すぐにメディアの注目を集めた。なぜなら、Arm版Windows 10とx86版Windows 10の違いや、エミュレーションがアプリのパフォーマンスに及ぼす影響について、Microsoftはこれまで説明してこなかったからだ。
しかし、Microsoftは現在、「Limitations of apps and experiences on Arm」ページを削除している。そのURLへのアクセスを試みると、もっと曖昧な「Troubleshooting x86 Desktop Apps」(x86デスクトップアプリのトラブルシューティング)ページにリダイレクトされる。
この新しいページは、「Limitations of apps and experiences on Arm」で説明されたコンテンツの一部を引き継いでいるが、さまざまな制約(例えば、「Hyper-V」はArm版Windows 10ではサポートされない)への言及は削除された。Microsoftは、Armでサポートされるアプリアーキテクチャのタイプを示す表(下の画像)も削除した。
削除された最初の文書では、以下の内容が説明されていた。
Arm版Windows 10では64ビットアプリは動作しない。32ビットのx86デスクトップアプリのみが動作するとみられる。
バージョン1.1以降の「OpenGL」を使用する、またはOpenGLのハードウェア拡張を必要とするアプリは動作しない。ただし、Armは「DirectX 9」「DirectX 10」「DirectX 11」「DirectX 12」を使用するx86アプリをサポートする。
ネイティブのOSコンポーネントは非ネイティブのコンポーネントを読み込めないため、「Windows」体験をカスタマイズする一部のアプリは、正常に機能しない可能性があるという。この制約には、IMEや補助テクノロジが含まれる。クラウドストレージアプリも「Explorer」のアイコンなどのシェル拡張を使うことが多いので、機能しない可能性がある。
さらに、「Arm64」ドライバのみがサポートされるので、Arm版Windows 10はx86アプリケーションをエミュレートできるが、x64やx86といったほかのアーキテクチャのドライバはサポートされない。
最後に、MicrosoftのHyper-Vはサポートされないので、Microsoftのハイパーバイザテクノロジを使用する仮想マシン(VM)は利用できない。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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