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ユーザーか収益か--「Chrome」の迷惑広告ブロック開始で変わる動き - (page 3)

Stephen Shankland (CNET News) 翻訳校正: 編集部2018年02月19日 07時30分
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Googleの取り組みは不十分?

 だが、ウェブブラウザの世界では、広告技術に対してもっと強硬なスタンスをとる向きもある。その1つは、Eyeoの「Adblock Plus」だ。これは、Googleを含む複数の企業からの支払いを資金とする著名な広告ブロッカーだ。Googleらは、ユーザーがオプトインして広告を表示すると、この広告ブロッカーに料金を支払う。AdBlock Plusのオペレーションチーフ、Ben Williams氏はブログで、Googleが採用する基準は、「目障りな」広告を「表面的にすくい取る」だけだと述べた。

 ウェブブラウザ「Firefox」を手掛けるMozillaの共同創業者、Brendan Eich氏が現在率いるBrave Softwareは、初期設定ですべての広告だけでなく、広告のためのトラッキングソフトウェアもブロックするウェブブラウザを提供している。だが、同社は、ユーザーのプライバシーは守りつつターゲティングした広告を表示する技術の採用を計画している。Appleは、Safariで広告のためのトラッキングを制限しており、Firefoxは現在、トラッカーを遮断するオプションを搭載している。

 電子フロンティア財団(EFF)のテクノロジプロジェクトマネジャー、Andres Arrieta氏は、Chromeユーザーは、Chromeが迷惑な広告をブロックしているだけで、広告トラッカーはブロックしていないことに注意すべきだと語った。Googleが最大級のトラッキング技術を持っていることを考えれば当然だ。

 「Googleには、ユーザーと収益のどちらを守るべきかという葛藤がある」とArrieta氏は語った。同氏は、ユーザーには広告と広告トラッカーをブロックするツールをインストールすることを、ウェブサイトにはユーザー個人の情報に基づくのではなく、サイトのコンテキストに基づくターゲティング広告を表示することを、それぞれ推奨する。

 実際には、Chromeが一部の広告トラッカーをブロックする場合もある。Chromeはブラックリストに記載されているウェブページに行き当たると、「EasyList」という追跡防止リストを使ってどのエレメントをブロックするかを決定し、広告と同じネットワークからのトラッカーも取り除くとGoogleは説明した。

 Googleによると、「Better Adsの標準に準拠しないウェブサイトでは、多数のトラッキングリクエストがブロックされる」という。

 広告ブロッカーは既にウェブパブリッシャーにとって大きな脅威になっている。広告ブロック対策を手掛けるPageFairの2017年の報告によると、約6億1500万台のデバイスで広告ブロッカーが使われているという。若いユーザー(つまり、広告主がリーチしたいユーザー)ほど、広告をブロックする傾向にあるという。

 コンサルティング企業のDeloitteでメディアおよびエンターテインメント部門を担当するKevin Westcott氏は「消費者の31%は、広告ブロックソフトウェアを使っていると回答した。20〜33歳のミレニアル世代では45%になる」と語った。

 なぜ広告ブロックソフトを使うのか? Deloitteの北米での調査では、広告ブロックを使う人の多くは、その理由を広告を表示しないためと答えた。次いでウェブの高速化のためと、プライバシーとセキュリティの懸念のためと答える人が多かった。

 これは負のフィードバックループの一部といえる。Deloitteは調査報告で、以下のように記した。

 トラフィック量が増加するにつれ、広告インプレッション当たりの収益は落ち、手数料を取る仲介業者の数は増える。これを補うために、ウェブページはますますバナー広告や動画広告で煩雑になる。その反応として、何億人ものオンライン消費者が広告ブロッカーをインストールし、その結果、広告をブロックしていない消費者へのウェブページごとの広告量増大が引き起こされる。

広告回避へ

 ウェブパブリッシャーは、オンライン広告界の変化に対応しようとしている。例えば、Washington PostとNew York Timesは、Wall Street Journalが先行する購読料が必要な「ペイウォール(課金の壁)」の採用に追従した。

 テクノロジー雑誌のWiredは最近、広告ブロッカーを使う読者をブロックするという以前のポリシーからペイウォールに移行した。そして、オンラインニュースサイトのSalonは、読者のウェブブラウザが同メディアによる暗号通貨マイニングを許せば広告をブロックするというシステムを実験中だ。

 Chromeも軌道修正するかもしれない。

 対象の例として、広告関連のセキュリティ上のリスクが考えられる。Chromeには既に、GoogleがPCへの攻撃につながりそうだと判断したウェブサイトをユーザーが開こうとすると警告する機能がある。そしてSchoen氏は、広告セキュリティの改善は同社の広告規制の新たな方向の可能性の1つだと語った。

 15日の広告ブロックの動きは「まだ最初の一歩に過ぎない。われわれはこれまで長年この問題に取り組んできた。今後もユーザー体験改善のために1歩ずつ前進していく」とSchoen氏は語った。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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