食品業界は、Eコマースの中でも成長中の複雑な分野で、改善の余地は大いにある。ただし、生鮮品の保管、仕分け、配送は簡単ではない。
ロボットの開発を手がけるイスラエルの企業CommonSense Roboticsの共同創設者で最高経営責任者(CEO)を務めるElram Goren氏は、「この複雑さこそ、CommonSenseはチャンスと見ている」と述べた。
CommonSenseは現地時間2月15日、シリーズAラウンドで2000万ドル(約21億2300万円)を調達したと発表した。Playground Globalがリードを務め、以前にも投資したAleph VCとEric Schmidt氏のInnovation Endeavorsが参加した。資金は会社の拡大や、「マイクロフルフィルメントセンター」で利用されるロボットや人工知能(AI)の開発促進に使われる予定だ。マクロフルフィルメントセンターとは、自動化された食品フルフィルメントセンターで、そこでは小規模な倉庫に収まる在庫を、ロボットが効率的に保管し、仕分けや処理をする。
Goren氏は米ZDNetの取材に対し、次のように述べている。「食品業界は数十年にわたってほとんど変わっていないため、今こそが革新の波に向かう分岐点だ。食品は日々の暮らしの中で非常に重要な要素だが、消費者は自らが求めるものを得ていない。消費者が求めるものとは、生鮮品や農産物が、それに見合う品質と価格で自宅の玄関に配送されるサービスだ。CommonSenseは、小売業者が生鮮品をピザより速く配送できるようにする取り組みに着手しており、それによって解き放たれる消費者行動の変化を楽しみにしている」
Goren氏は、食品のロジスティクスを変革したいと考えている。「(従来の)フルフィルメントセンターは、オペレーションの拠点を消費者から遠く離れた地価の安い都市郊外に置いており、結果として配送にさらに長い時間がかかり、品質にマイナスの影響を与えている」(Goren氏)
CommonSenseは、ロボットやAIを利用して、市街地の小さな施設内や地下に収まるようなフルフィルメントセンターを作るソリューションを提案している。Goren氏によると、それにより小売業者はすべてのオペレーションを顧客の近くで行い、オンラインで受けた注文を1時間以内に届け、収益性の高いビジネスモデルを維持できるようになるという。ロボットを利用した最初のマイクロフルフィルメントセンターはすでに稼働しており、同社は2018年中に米国、英国、イスラエルにさらなるセンターを開設する計画だ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」