ベンチャーキャピタリストのPeter Thiel氏が、Facebookの取締役メンバーとの政治に関する問題で緊張感が高まったことで、Facebookの取締役を辞任することを検討していたという。Wall Street Journal(WSJ)が米国時間2月15日に報じた。Thiel氏は、Facebook創業翌年の2005年から同社の取締役に就いている。
WSJは、Thiel氏の考えをよく知る複数の人物の話として、Thiel氏はテクノロジ業界が「不寛容で政治的に左に偏っている」と感じるため、業界への関与を減らしており、シリコンバレーからロサンゼルスに移ろうとしていると報じている。億万長者の投資家であるThiel氏は2018年に、Thiel CapitalとThiel Foundationをロサンゼルスの新本社に移す予定だと同紙は報じた。
記事によると、Thiel氏はDonald Trump大統領を支持したことについて、Netflixの最高経営責任者(CEO)のReed Hastings氏と緊迫した関係にあったという。Hastings氏もFacebookの取締役を務めている。Thiel氏は米大統領選中、Trump陣営に100万ドル(約1億ドル)を超える額を寄付していたとされる。
Thiel氏は1月、スタンフォード大学での討論で、「シリコンバレーでは一党が支配している状態だ」と述べていた。「全員が一方の側にいる場合、この社会では政治的に問題が生じる」(Thiel氏)
Hastings氏が2016年8月にThiel氏に送付したとされる電子メールの中で、「あなたが米国大統領としてTrump氏を支持していることを非常に不可解に思っている」と記されていた。このメールは2017年に流出し、The New York Times(NYT)が入手したという。この電子メールの中でHastings氏は、Thiel氏がTrump氏を支持することについて、「破滅的に誤った判断」であり「同じ取締役会にいてほしいと誰も思わない」と述べていた。
WSJによると、FacebookのCEOであるMark Zuckerberg氏は、Hastings氏とThiel氏のいずれかがメールをリークしたのではないかと懸念し、両氏と直接話し合ったという。Zuckerberg氏とThiel氏は電話で、Thiel氏が取締役に留任するかどうかを話し合った。WSJはこの話し合いについて知る人物の話として、Zuckerberg氏はThiel氏に辞任を求めておらず、Thiel氏は自ら辞任する意向はないと述べたと報じている。
Thiel氏は現在もFacebookの力になれると感じるため、少なくとも現時点では取締役にとどまることを決めたと、WSJは報じている。
Facebookはコメントを控えた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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