チケキャン問題でミクシィ森田社長「反省している」--VIP会員の存在や対応の遅れで

 「レピュテーションリスクやコンプアライアンスを踏まえ、早め早めに経営判断ができた部分もある。そこは我々も真摯に反省して、再発しないように取り組む」――2月14日に開催された2018年3月期第3四半期決算説明会の席上で、ミクシィ代表取締役社長の森田仁基氏は、反省の弁を語った。

 ミクシィはこの日、チケット売買サイト「チケットキャンプ」を運営していた子会社のフンザの前代表取締役が、詐欺の共犯の容疑で京都地方検察庁に書類送検されたことを受けて設置した第三者委員会から受領していた調査報告書を公開した。

ミクシィ代表取締役社長の森田仁基氏
ミクシィ代表取締役社長の森田仁基氏

 調査報告書では、フンザ買収判断に関する調査方法や意思決定プロセスに特段の問題はなかったとされ、買収後のフンザに対する管理体制やフンザ社内における管理体制そのものにも特段の問題はなかったとした。一方で、「ミクシィによるフンザの管理体制の運用面において、必ずしも十分な情報共有が図られていたとは言えない点があった」「上場企業であるミクシィの子会社であるフンザの経営判断には、レピュテーションリスクに対する配慮が不足していた面があることは否めない」と指摘している。

 説明会における質疑応答のなかで特に質問が多かったのは、報告書で指摘された「VIP会員」の存在。報告書によれば、同業他社サイトでチケットの取引量が多い出品者、あるいは取引内容が優良である出品者がチケットキャンプの会員となった場合に、VIP会員として取引手数料の割引措置などを行っていた。この制度を使った出品者への営業も行われていた一方で、認定基準などがフンザ営業部門も従業員の裁量に広くゆだねられていたこと、また利用規約には明記されておらず、ウェブサイトなどでも公表されていなかったため、ミクシィ側は買収時に認識できなかったとしている。

 ミクシィがVIP会員の制度を認識したのは2016年10月。2017年2月ごろにはVIP会員を勧誘していた営業チームを廃止し新規獲得はせず、最終的に同年12月には制度自体を廃止したという。同年の夏ごろには制度の廃止を決定。しかし捜査当局から一部のVIP会員に対する捜査照会があり、捜査への支障が懸念されたことから、制度廃止を見送っていたとのこと。そのため、最終的な廃止が12月になったとしている。

 また、VIP会員が高額転売を目的とする取引を誘引するために創設された制度であるとは認められないとしながらも、大量出品者に対する優遇措置が一般に公開されずに存在したこと、高額転売を目的とした取引を排除する断固とした姿勢を明確に表明せずに、大量出品者のチケット入手方法を調査しなかったことについて、社会的には非難されてもやむを得ないと第三者委員会は指摘。レピュテーションリスクに対する配慮が不足していた面もあるとした。

 報告書ではチケットキャンプ事業について、レピュテーションリスクに配慮し、健全化施策を早期に公表、実施していれば、事業継続によるレピュテーションの低下を防ぐことができた可能性も否定できないと、対応が後手に回っていたこと指摘する形でまとめている。

 森田氏は、改めてチケットキャンプ買収における当時の経営判断について「間違っていたとは考えていない」とする一方、レピテーションリスクについて「しっかり議論ができていたかというと、指摘された通り浅い部分があった」と振り返る。またVIP会員の存在を知ったときの心境として、「法的にいいかどうかはわからなかったが、チケットキャンプはより多くのユーザーが使ってもらえるように、また社会的にも受け入れられるように中立的なサービスであるべきだと考え、廃止したほうがいいと思っていた」と語る。

 今後はレピュテーションリスクをより意識した経営判断を適切に行う体制作りのほか、子会社管理部署の新設や重要な子会社における取締役会の設置、担当取締役の選任の検討を進める。また、内部監査室の増員や監査役会直属の監査役室の設置を進めるという。また、役職員に対する継続的なコンプライアンス研修を実施するとしている。森田氏は「上場企業としての自覚や社会的な責任が数々存在する。我々をしてもこれらをしっかりと持ちながら、影響範囲を考慮しながら、判断を進めていきたい」とコメントした

 なお、フンザの前代表取締役が書類送検された件については「現時点では捜査が継続している最中であるため、まずは誠心誠意協力していく」とし、結果が出た段階で改めて報告、対応したいとした。

 2018年3月期第3四半期(2017年4~12月)の連結業績については、累計で売上高は1354億3600万円(前年同期比で5.3%減)、営業利益は478億5800万円(同15.3%減)、経常利益は482億600万円(同14%減)、純利益は251億2600万円(同35.3%減)となった。四半期ベースでは売上高421億7900万円、営業利益109億4900万円、経常利益110億8800万円、純利益は1700万円の赤字となり、前四半期からは減収減益。また、チケットキャンプのサービス終了の決定にともなう特別損失の計上により、純利益が減少している。

 なお、第4四半期の連結売上高は1月の状況を見て570~600億円の見込み。通期の業績予想として、2017年12月27日に修正を発表した純利益402億円以外は、期初の予想通りから変更はなく、売上高2000億円、営業利益と経常利益はそれぞれ700億円を見込むとしている。

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