ソニー、画像の歪みを解消する裏面照射型CMOSセンサを開発

 ソニーは、A/D変換器を画素ごとに配置し、全画素同時に露光したアナログ信号を即座にデジタル変換することで、グローバルシャッター機能を実現した裏面照射型CMOSイメージセンサを開発した。米国サンフランシスコで開催されているISSCC(国際固体素子回路会議)で発表した。

 現在のカラムA/D変換方式のCMOSイメージセンサは、画素で光電変換したアナログ信号を行ごとにA/D変換して読み出すため、行毎の読み出し時間のずれによる画像の歪み(フォーカルプレーン歪み)が発生してしまっていた。裏面照射型CMOSイメージセンサーでグローバルシャッター機能は、新開発の低電流動作可能で小型のA/D変換器をすべての画素の下に配置し、全画素同時に露光したアナログ信号を即座にデジタル変換(画素並列A/D変換)した後に、デジタルメモリで信号を一時保持。これにより、行ごとの読み出し時間のずれによるフォーカルプレーン歪みを解消できるというもの。100万画素以上の高感度な裏面照射型CMOSイメージセンサでは、業界で初めて画素並列A/D変換器によるグローバルシャッター機能を実現したという。


概略ブロック図

 電流の課題に対しては、業界最高性能の低電流動作可能な小型の14ビットA/D変換器を開発することで克服。A/D変換器とデジタルメモリは、積層型構造として下部のチップに配置することで、搭載スペースを確保している。

 有効画素数146万画素。裏面照射型CMOSイメージセンサ部(上チップ)とロジック回路部(下チップ)を積層する際に、Cu(銅)のパッド同士を接続することで電気的導通を図る技術「Cu-Cu(カッパー・カッパー)接続」を採用しているという。


チップ写真

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