ディー・エヌ・エー(DeNA)は2月8日、2018年3月期第3四半期の連結業績を発表した。累計の売上収益は1061億3200万円(前年同期比2.4%減)、営業利益は262億3400万円(同40.6%増)、四半期利益は291億8300万円(同22.7%減)となった。
四半期ベースで見ると、売上収益は328億円(前四半期比11%減)、営業利益(IFRS)は126億円(同73%増)。季節変動の大きいスポーツ事業を除くと、売上収益は301億円(同2%減)、Non-GAAP営業利益は33億円(同36%減)となっている。
セグメント別の売上収益で、主力であるゲーム事業は242億円で前四半期比1%減。既存の内製・協業タイトルにおいては、コストをかけた積極的なマーケティングやゲーム内イベントなど、年末商戦に向けた施策を行ったものの、期待していた成果は出なかったという。決算説明会で登壇したディー・エヌ・エー代表取締役社長兼CEOの守安功氏は、特に内製の主力タイトルでもある「逆転オセロニア」が顕著だったとし、「これまでは広告などのマーケティング活動でユーザーを獲得し、売り上げを伸ばすサイクルができていたが、年末商戦に向けてさらに広告宣伝費をかけたものの、思ったような効果を生まなかった。ゲーム内イベントも思ったほど売り上げに寄与しなかった」と説明した。もっとも、国内外含めたゲームにおけるユーザの消費額自体は微増が続いており、今後は包括的にコスト面の見直しを図るとしている。
新規タイトルとしては、メディア・ビジョンと共同開発したオリジナルRPG「メギド72」の配信を12月に開始。また任天堂との協業タイトルにおいては、スマートフォン版マリオカートとなる「マリオカート ツアー」の配信を2018年度に計画している。質疑応答のなかで守安氏は、マリオカート ツアーのビジネスモデルについて質問が及ぶと、フリー・トゥ・スタート型(基本プレイ無料)であることを明らかにした。
一方、スポーツ事業は横浜DeNAベイスターズがオフシーズンのため、前四半期比56%減となる27億円だったが、前年同期は6億円だったため前年同期比では329%増。チームが日本シリーズに進出したこともあり、オフシーズンに入ってからもグッズの売り上げは高い水準で推移。ファン層の裾野が拡大していることを実感しているという。
第四半期の業績予想として、売上収益は前四半期3億円減の325億円で、スポーツ事業を除く売上収益は8億円増の309億円。Non-GAAP営業利益は11億円減の12億円で、スポーツ事業を除くNon-GAAP営業利益は4億円減の29億円を見込む。ゲーム事業とEC事業は前四半期から若干の微増の見通しで、新規事業・その他に約15億円の損失を見込む。ここには、春ごろから正式サービスを予定している「タクベル」の準備をはじめとした、オートモーティブ事業への積極的な投資を含んでいるという。またその他の費用として約10億円の資産除却や減損処理を見込むとしている。
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