logo

KDDI決算、第3四半期は増収増益--社長交代に向けライフデザイン事業を強化

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 KDDIは1月31日、2018年3月期第3四半期決算を発表。売上高は前年同期比6.8%増の3兆7600億円、営業利益は4.9%増の8138億円と、引き続き増収増益の決算を記録し、同日に実施された決算会見で代表取締役社長の田中孝司氏は「今期の目標に向け順調に進捗している」と評価している。


決算説明会に登壇するKDDIの田中社長

 好調要因の1つは主力事業であるモバイル通信収入の拡大だ。KDDIは2017年7月より新料金プラン「auピタットプラン」「auフラットプラン」を提供しているが、その契約数が1月21日で500万に達し、auの顧客つなぎ止めに大きく貢献しているとのこと。実際、auの解約率は0.78%と、前四半期(0.79%)と変わらない水準で落ち着いているという。

 またauフラットプランの選択率が、サービス開始当初は24%であったのが、1月18日時点では41%にまで伸びているとのこと。このことがauの通信ARPA(1人当たりの月間売上高)を前年同期比+0.5%の5910円に押し上げ、売上を高める要因になっていると田中氏は説明している。


昨年7月に提供した新料金プランは500万契約を突破し、顧客のつなぎ止めに効果を発揮。「auフラットプラン」の契約増でARPAの押し上げにも貢献しているという

 新料金プラン導入によってauの契約減少に歯止めがかかってきたのに加え、傘下MVNOの契約数が150万にまで伸びたことにより、KDDI全体のモバイルID数は回復傾向にあるという。実際、前年同期には契約数の伸びがマイナス0.4%であったのが、今年度は+2.2%となっているほか、売上もMVNOがカバーする形で伸びをキープしているとのことだ。


auの契約数減少幅が改善したのに加え、傘下MVNOが大きく伸びていることからモバイルID数もプラスに転じ、成長軌道に乗り始めている

 だが、より利益の拡大に貢献しているのがライフデザイン事業だ。「auスマートパスプレミアム」の会員数、「au WALLETクレジットカード」の契約数が共に300万を突破するなど好調を続けていることを受け、今四半期におけるau経済圏の流通総額は前年同期比1.5倍の5000億円に到達。それが付加価値ARPAを前年同期比15.7%増の590円に押し上げ、利益を押し上げる大きな要因となっているようだ。


第3四半期におけるau経済圏の流通総額は5000億に達し、付加価値ARPAを押し上げる要因となっている

 そうしたことからKDDIは「Wowma!」などライフデザイン事業の強化を進めるとしており、その一環として田中氏は、2017年11月に買収した、イーオンホールディングスとの連携施策についても説明。「通信と教育は親和性が高い」(田中氏)ことから買収を決定したとし、KDDIにとっては通信事業では難しかった、幼少期から小学生の年齢層に対するタッチポイントが増やせるメリットがあるとのこと。今後はイーオンを軸に、教育のIT化を進めシナジーを打ち出していく考えを示している。


11月に買収したイーオンホールディングスを軸として、今後は教育事業を強化していくとのこと

 さらに田中氏は、今年力を入れる事業について「IoTだと思っている」と回答。KDDIは1月よりLTE-Mを用いたよるIoT向け通信サービス「KDDI IoT通信サービス LPWA」の提供を開始しているが、田中氏は「IoTは通信料収入自体は少ないものの、通信と他の産業をつなげて新しい価値を生み出すことで売上につなげられる」とし、通信やクラウドなどIoTをパッケージで提供しパートナーとの協業を拡大することに力を入れる考えを示している。


IoTに力を入れるKDDIは、1月にIoT向け通信サービスの提供を開始。通信を軸としたIoTソリューションの提供に力を入れていくとしている

楽天の携帯電話事業への参入「それほど甘くない」

 また携帯電話事業への参入を表明した楽天に関して、記者に問われた田中氏は「通信産業としてではなく、もう少し大きな目で見る必要がある」と答え、競争環境が大きく変化していることを示唆。これまでの通信事業者での枠組みにおける競争は「リングの中の格闘技のようなもの」であったが、これからの競争は新しい時代に向けて誰が最初にゴールするかを競う「RPGのようなもの」と話す。楽天は、新たな競争に向けて不足するピースを埋めるべく、最初に動き出したのではないかと捉えているようだ。

 田中氏自身、これからの競争に必要なケイパビリティ(組織的能力)は、通信、金融、そしてコマースの3つと捉えているという。そうしたことから、MVNOの立場では満足できず通信事業者に進出しようとしている楽天に関して「心意気はしっかり理解できると思っている」と評価するものの、楽天が設備投資のため調達するとしている6000億円という金額に関して「われわれもそれくらいの額を毎年設備投資に使っている。(携帯電話事業は)それほど甘くない」と答えている。

 またKDDI自身も、新たな競争環境に向けて「われわれも次のステージに向け、ライフデザイン事業の改革をやっている」と田中氏は語る。なおKDDIは今回の決算発表と同日に、4月をもって代表取締役社長を田中氏から高橋誠氏に交代する人事を発表しており、今後は高橋氏の体制の下でライフデザイン事業を強化していく。

-PR-企画特集

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]