“勉強ノート”を共有できる「Clear」がEdTech世界大会で優勝

 世界最大のEdTechスタートアップ・コンペティション「The Global EdTech Startup Awards」が1月23日に英国のロンドンで開催された。世界70カ国以上の国・地域から2000社以上のEdTechスタートアップがエントリーしていたが、勉強ノートの共有アプリ「Clear」を提供するアルクテラスが、日本企業として初参加で総合優勝を果たした。


アルクテラス代表取締役社長の新井豪一郎氏

 The Global EdTech Startup Awardsは、その年の最も有望なEdTechスタートアップを決めるコンペティション。米国、メキシコ、英国、スペイン、フランス、イスラエル、南アフリカ、インド、中国、日本(日本は今回が初開催。EduLabが主催した)で地域予選が開催され、予選を勝ち抜いた18社がロンドンに集結。世界中から集まった投資家など200名以上の前で、各社3分間のプレゼンテーションを実施した。

 審査員として、ウィキペディア共同創始者のジミー・ウェールズ氏をはじめ、著名な知識人や経営者が約20名参加した。また、2018年は総合順位とは別に、新たに「技術革新」「読み書き能力の向上」「人工知能(AI)」のトラックを追加。それぞれの分野での最優秀企業にも賞が送られた。

 アルクテラスが提供するClearは、ユーザー同士で手書きの勉強ノートを共有しあえるアプリ。ユーザーは公開された英語や数学、日本史などのノートを見て、まとめ方の参考にしたり、学習に活用したりできる。また、撮影したノートの写真上に、暗記やマーカーなどのデジタルシールを貼れる機能も備える。解けない問題があれば、質問をして別のユーザーに答えを教えてもらうことも可能だ。


勉強ノート共有アプリ「Clear」

 アルクテラスが総合優勝に選ばれた理由について、大会を主催したイスラエルのEdTechスタートアップインキュベータ「MindCET」のワイスマン博士は、サービス内容の革新性が評価されたと説明。世界には数多くのスタートアップが存在する中で、他社との違いを明確にすることが重要であり、Clearは市場に変革をもたらす可能性があるという点で、審査員全員の意見が一致したとしている。

 なお、2位にはケニアのモバイル学習管理サービス「M-Shule」。3位には、大企業や組織などと協働して学生に社会問題の学習機会を提供するインドの「MentorMind」が選ばれた。


本戦会場の模様

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