ニュースの見出しを飾ったランサムウェア攻撃から1年になるのを前に、ハッカーらが仕掛ける攻撃の頻度は低下しつつあるようだ。
ランサムウェアは、2017年5月の「WannaCry」攻撃や6月の「NotPetya」攻撃で猛威を振るった。しかし、Malwarebytes Labsのレポートによると、7月を過ぎるとランサムウェア感染率が急減したという。
レポートによると、コンピュータユーザーがランサムウェアに対抗する非常に有効なツールを手にしたことが明らかになった。そのツールとは、ファイルのバックアップだ。
そう指摘するのは、Malwarebytesでマルウェア担当アナリストを務めるChris Boyd氏だ。同氏は米ZDNetの取材に対し、大規模なランサムウェア攻撃に関する報道がおそらく、人々がファイルをクラウドやバックアップデバイスにアップロードして身代金支払いを回避する方法を学ぶのに役立ったのだろうと述べた。
「それだけで、追加のセキュリティ対策をしなくても、本来なら相当なものだったはずの脅威が効果的に緩和される」とBoyd氏は述べた。同社はビジネスユーザーや一般ユーザー向けに、悪意のあるソフトウェアに対して保護やブロックを提供する製品を販売している。
しかし、ハッカーらが活動しなくなったというわけではない。従来からあるバンキング型トロイの木馬やアドウェアなどの、他の攻撃手段に乗り換えている。
またハッカーらは、依然として革新を図っている。Malwarebytesでマルウェア関連情報担当ディレクターを務めるAdam Kujawa氏によると、同氏が12月に確認した最大のトレンドは「クリプトジャッキング」の増加だという。これは、ネットユーザーが訪れたウェブサイトがひそかにユーザーのPCの処理能力を利用して、仮想通貨をマイニングするプログラムを実行する、というものだ。
ハッカーらはクリプトジャッキングにより、ユーザーのPCから利益を得ることができる。Kujawa氏によると、「これによりリソースが一気に消耗」し、コンピュータのパフォーマンスが遅くなるという。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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