複数の巨大企業のデバイスを使用不能にした、6月末のランサムウェア攻撃に関係したと主張するハッカーグループが、初めて声明を公開したことが明らかになった。このグループは、攻撃に使われた暗号の秘密鍵と引き換えに、25万ドル相当のビットコインを要求したという。
この身代金(ランサム)を要求する書状は、米国時間7月4日にダークウェブで公開され、Motherboardが最初に発見した。それによると、マルウェアの「NotPetya」(別名「GoldenEye」)に関わったと自称するこのグループは、同マルウェアでロックされたすべてのファイルを復号できるという鍵と引き換えに、100ビットコイン(6日時点で約3000万円相当)の支払いを要求している。
マルウェアのNotPetyaは、現地時間6月27日にウクライナのキエフで始まったサイバー攻撃を皮切りに、多数のコンピュータに侵入した。その後、このマルウェアは同国の送電網、空港、政府機関へと広がり、さらに世界各国でFedEx、Merck、Cadbury、AP Moller-Maerskといった大企業のコンピュータのファイルもロックした。
これら4社の企業価値は総額1300億ドルにも達しており、豊富な資金を持つ大物ターゲットと言える。それだけに、ハッカーグループが、当初は感染したコンピュータ1台につき、わずか300ドル相当しか要求しなかったのは意外と考えられていた。
4日になって、当初よりもはるかに高額な身代金の要求があったわけだが、実際には国家レベルの攻撃者が、ランサムウェアを「隠れみの」として使っているにすぎないというのが、専門家の見方だ。被害者たちが、この攻撃の背後にいる国家ではなく、匿名のハッカーたちを非難するように仕向けているというのだ。攻撃者の真の狙いは、おそらく金銭ではなく、コンピュータに侵入してデータを破壊することにある。
すでにハッカーグループの要求に応じた被害者がいるかどうかは、現時点では明らかになっていない。ただ、複数の報道によると、25万ドル相当の規模のビットコイン決済は、今のところ行われていないようだ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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