[ブックレビュー]安定した仕事などない時代--「THE END OF JOBS 僕たちの20年戦略」

TAC
内容:変化の激しい時代、安定した仕事などなくなったと言われると絶望的な気持ちになるかもしれない。しかし今の社会で仕事をしていくためには、会社勤めであっても“起業家精神”を持たなければいけないと著者は説く。今の時代の働き方とは。

 この変化の激しい時代、どこかの会社に雇われることだけを考えていたのでは、とうてい生き残っていくことはできない。決して、危機感をあおっているだけでも、安易にフリーランスとして生きていくことを勧めているわけでもない。もっと建設的に、前向きに、自分の未来を真剣に考えたときに見えてくる「本当のこと」を、本書は教えてくれる。

 著者は起業を勧める。だが、誰でもが起業家に向いているわけではない。しかし今後は、「起業家精神」を持たなければ、雇われて働くことさえも難しくなることは確かだ。ほんの1、2年程度先のことを考えるのではなく、もっと長いスパンで人生を見たときに、良い意味で「攻めて」いくことを考える必要があるのだ。

 本書を読むと、「安定した仕事」などないという絶望的な気分に見舞われる。自分の今の仕事でさえ、今にも失うかもしれない。しかし、著者の指摘が正しいと納得できるからこそ、現実を正面から見据えて、自分の今後を真剣に考えなければと思う。今日明日にでも起業しようと言っているわけではない。しかし、そのための準備や勉強を怠らず、起業のための心構えをしておくことは、将来自分を助けることになるのではないだろうか。

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