人生には良いときもあれば悪いときもあると誰もが思うものだが、こんなにも何度も試練が訪れるものなのかとため息をつかずにはいられない。それでも人は、「やり直す」ことができる、「再起動」できるのだと、熱く激しいメッセージを送ってくるのが本書だ。
著者は、バブル時代に起業し、大成功を収めたかに見えたものの、気づいたときには、資金繰りがうまくいかなくなり、事業を方向転換せざるを得なくなる。そこから、怒濤のように起こる出来事は、読んでいるだけで「よく生きていられたな」と、思わず深呼吸したくなるほどだ。たとえば中核の社員が何人も、とある宗教に心酔し、会社の資産を横流ししていたなど、あってはならないことが実際に起こっている。まさに「事実は小説よりも奇なり」だ。
今は成功しているからこそ、このような苦労話も、外部に出せる過去になっているが、実際に自分が同じ立場に置かれたとして、果たして乗り越えられるものなのか考えてしまう。実際に、こんな目には遭いたくないと思うのが普通だろうが、だからこそ、人の経験を参考にして今を生き抜く力にできる。それが、体験談を読む意義ではないか。
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